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ブログ・野口 誠一
第335回:人に尽くせる喜びを持つ
2012年1月9日
人に尽くす、人の役に立つ、人のために生きる、それが真の愛である。そんなことは子どもでも知っているが、大の大人でもなかなかそれができない。そこに愛の難しさがある。キリストはその愛を説いて、ついに磔になったのではなかったか。お釈迦様は慈悲を説いて80まで各地をめぐり、ついに野たれ死にしたのではなかったか。お釈迦様が死んだとき、草木も泣いた、蛇も泣いた、獣も泣いたという。が、人間はどうだったか。
本当に人間は、キリストやお釈迦様が命をかけてまで説かねばならないほど、愛から遠い存在なのだろうか。そうかもしれない。八起会に駆け込んでくる相談者の多くは、決まって「愛」不在である。それほど切羽詰まっているということもあろうが、アタマの中には見事に「自分」のことしかない。夜逃げも自殺も、弱い心からというよりは、愛の不在が招くと言っていい。
「自分が夜逃げしたら、ひょっとして取引先も連鎖倒産に巻き込まれるのでは…」「自分が死んだら、家族が路頭に迷うのでは…」
一瞬でも「他者への愛」が心をよぎれば、悲劇は未然に防げる。「自分のこと」だけで心を満たしている限り、それは無明の世界、犬畜生と変わりない。
人に尽くす、人のために生きる、これほど言うは易く、行うに難いことはない。それだけに、人に尽くせる喜びには無上のものがある。私は依頼があれば、北海道だろうと九州だろうと、どこへなりと辻説法に赴く。また、倒産110番も駆け込み寺も、その扉はいつも開きっ放しである。理由はいたって簡単、それが私の「使命」だからである。その使命を果たしたときの幸福感、充実感は何とも言えない。それがまた私をさらなる使命感へ駆り立てていく。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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