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ブログ・野口 誠一
第341回:兄弟が9億円の借金を
2012年2月20日
以下はNさんの体験発表である。
──父の急死で、跡を継ぎ社長になったのは兄です。ところが、この兄がバクチ好きでどうにもなりません。父が生きている間は、厳しく目を光らせていたので、それほどでもなかったのですが、重石がとれた途端、経営などそっちのけでバクチ狂いです。勝手に個人でトンネル会社をつくり、副業にまで手を出す始末。体のいいバクチの資金稼ぎです。
そんな会社がうまくいくはずもありません。間もなく潰れ、あとに残ったのは2億円余りの借金です。そこで親族会議が開かれ、兄には会社を辞めてもらい、代わりに私が社長になって、兄の借金を会社で肩代わりすることになりました。昭和63年、私が35歳のときでした。
ところが、それから間もなく大変なことが持ち上がりました。なんと、兄がバクチで6億円もの借金をつくっていたことがわかったのです。それもほとんどが街金融や闇金融などからの借金です。これには驚きを通り越してあきれてしまいました。しかも、そのショックも束の間、今度は支店を任せていた弟が商品取引に失敗し、1億円もの借金をつくってしまいました。これまた街金融です。二人合わせて9億円の借金…まったく無茶苦茶な話です。
といって、身内のことですから放っておくわけにもいきません。また親族会議が開かれました。しかし、いくら会議を重ねたところで、9億円もの借金を一気に返せるような妙案などあろうはずがありません。結局は会社の利益から少しずつ返していくしかないのです。こうして会社は9億円もの借金を肩代わりするハメになり、私にとってはゼロどころか、マイナスからのスタートとなってしまいました。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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お世話になります!凄まじい話しですね!博打は、会社経営自体が博打だと思っていますのでしたことはありませんが、凄い額に驚きました‼️結局この後どうされたのでしょうか?