働き方改革関連法が順次施行されています（【図１】）。

そこで、働き方改革関連法への対応というテーマで法改正への具体的な対応策について解説してまいります。

　今回は（６０時間超の割り増し賃金率１５０％）への対応について説明します。（その①）

　「月間６０時間超の割り増し賃金率１５０％」は文字通り月間60時間を超過した分の時間外労働は通常の割り増し率１２５%ではなく１５０％の割り増し率で計算することを義務付けるもので、大企業はすでに実施済み、中小企業は２０２３年４月から施行されます。

　表１の通り６０時間超割り増し率１５０％の影響自体は５０００円程度なので、さほど大きくはありません。

　しかし、最低賃金上昇の影響を加味すると３万円の給与上昇となることから影響は非常に大きくなります。ドライバーの月額給与が法改正により強制的に３万円上昇することは、運送業の利益率を勘案すると影響は大きく、給与体系の変更などを検討していく必要がありそうです。また、60時間超過分の時間外時間数を正確に把握できるかどうか、検討を要します。