このシリーズでは、新型コロナウイルスへの対策に関し、運送業経営者が押さえておきたい労務管理上のポイント、知っておきたい事項について説明してまいります。

　売上高の急激な減少などに伴い資金繰りが悪化した場合、もしくは今後の状況によっては手元資金に余裕がなくなる場合などのために、政府系金融機関などが実質無利子の融資制度があります。政府系金融機関はあまり馴染みがない経営者が多いと思いますが、長期で実質無利子融資が受けられる可能性があるので、積極的に活用を検討ください。

　相談時の必要書類としては、日本政策金融公庫等の場合、納税証明書（２期分）、税務申告書・決算書（直近３期分）、最近の売上高が把握できる資料などとされています。

　また、制度融資だけでなく、家賃支援や社会保険料・税の猶予措置が設けられています。

　家賃は売上高が５０％以上の減少があった場合に６か月分の家賃を補助するものです。

　厚生年金保険料に関しては、一時的に厚生年金保険料などを納付することが困難となった事業主方が、年金事務所へ申請することで、納付の猶予（特例）を受けることができます。

　国税の猶予制度は、一時に納税をすることにより事業の継続が困難となるときなど、特定の事情があるときに、税務署に申請することで最大１年間、納税が猶予される制度で、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が大幅に減少している方に向けて、納税の猶予の特例（特例猶予）が創設されたものです。

　大変な状況ですが、制度融資や納付納税猶予措置を活用し、何とか乗り越えて行かれることを願っております。（令和２年６月２２日時点の情報に基づき記載しています。詳細はＨＰなどをご確認ください）