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ブログ・高橋 聡
第181回:働き方改革への対応(長時間<80時間>労働者への通知)
2020年9月17日
働き方改革関連法が順次施行されています(【図1】)。そこで、働き方改革関連法への対応というテーマで法改正への具体的な対応策について解説してまいります。
今回は(長時間〈80時間〉労働者への通知)への対応について説明します。
2019年4月から産業医(50人以上の事業所では選任する義務有)の権限が強化され、会社は産業医に対し時間外・休日労働が月間80時間を超えた労働者に関する情報を通知する義務が課せられました。
また、50人未満の事業所を含む全ての事業所において、時間外・休日労働が月間80時間を超えた場合に、本人に通知することが義務付けられました。
なお、通知方法については次のように定められています。給与明細に時間外・休日労働時間数を表記する方法も認められています。
また、医師との面接指導の対象となる労働者の要件が、「時間外・休日労働時間が1月当たり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる者」に拡大されています。
中小運送業のドライバーは時間外・休日労働時間数が、80時間を超過することは多くあるのが実態です。時間外上限規制に関して、運転職は2024年4月までに適用が猶予されていますが、前記の通り一定の残業時間数の者に対する通知や医師との面談義務については、すでに施行されています。まずは、適正な労働時間の把握、そして長時間労働者に対する通知、疲労の蓄積が認められる場合、医師との面接を行うようにしてください。
全ての基本となる適正な労働時間の把握は働き方改革への取り組みの「1丁目1番地」です。この問題に取り組むことは「残業代未払い請求」などの係争事案から「会社を守る」ことにつながります。積極的な取り組みが望まれます。
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筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
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