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ブログ・高橋 聡
第277回:令和時代の運送業経営 管理職編(75)
2024年11月29日
【リスク対応編】75
「頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
今号から中小運送業における「労務リスク対応」に関し解説してまいります。
1.リスクの区分
運送業経営にはさまざまなリスクが伴います。外部環境としては、震災・気象、法規制、金融、エネルギー等のリスクがあります。現状では2024年問題(時間外規制)や円安、燃料代高騰などの問題に直面しています。
荷主企業の倒産や支払不能なども実際に発生し、さらに荷主企業のサプライチェーン変更・見直し、外資によるM&Aについては予測が困難です。
弊社のお客様でも「モーダルシフト」となり輸送方式が変更になったケース、工場・デポ配置の見直しによる輸送拠点の変更などにより取引関係の大きな影響があった会社様があります。
突然の外部環境・荷主との関係の変化は対策が難しいので情報を敏感に捉え、業界動向をウォッチすることは重要です。
荷主との関係が強い会社はいち早く物流政策の変更の情報をキャッチすることができています。
ただ、総じて外部環境については、運送会社側にて対策を検討するのが困難であるため、リスク対策は内部環境リスク対策が主体となります。
内部環境としては「事業承継」や「労務」リスクがあげられます。「事業承継」リスクに関しては後継者不在などの要因でM&A市場が活性化しています。以前は親族が承継することが一般的でしたが、最近ではご子息が会社を継ぎたがらないことも多いのが実情です。事業承継に関しては経営者が急きょ亡くなるといったことも起こりうるため、時間をかけて検討していく必要があるでしょう。
さて、内部リスクのなかで最もリスク対策を要するのは「労務リスク」です。
2.労務リスクとは
中小運送業経営における労務リスクにはドライバー採用難、定着不足、労務トラブル、賃金未払いなどがあげられます。対策は金銭的影響の大きいものを優先して対策を考えていきます。
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筆者紹介
高橋 聡
保険サービスシステム社会保険労務士法人
社会保険労務士 中小企業診断士
1500社以上の運送会社からの経営相談・社員研修を実施。
トラック協会、運輸事業協同組合等講演多数。 -
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