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ブログ・原 慶之
第23回:駐在員事務所の雇用法
2007年6月21日
中国で新たな「労働契約法」草案が公表されました。施行された場合、外資系企業にも影響があると予想されています。65条からなる草案は、今までの「労働法」の詳細を取りまとめた内容で、雇用者と被雇用者の権利・義務をより具体的に取り決めています。今回は、駐在員事務所の雇用についてご紹介します。
今回の「労働契約法」では、外資企業の駐在員事務所(代表処)が直接、従業員を雇用することができます。人材派遣会社経由で従業員を雇用した場合でも、1年以上経過した際は、「受け入れ側雇用単位が直接労働契約を締結しなければならない」との規定が設けられました。そのほかにも、被雇用者の保護規定を強化する内容が中心となっています。
このため、外資系企業にとっては、コスト増の一因になる可能性が出てくると予想され、注目されています。
駐在員事務所での従業員の直接雇用に関して、これまでは人材派遣会社経由の契約であったので、労働契約の中止が容易にできました。が、同法が施行されると、各種手続きや対策を自社でする必要が出てきます。労務管理も、しっかりと対応しなければならず、手間とコスト負担の増加が考えられます。
この草案は現在、審議段階にありますが、進出企業はその動向に注意する必要があります。現状の草案と同じ形で施行されるかはまだわかりませんが、そうなった場合、労務管理が非常に重要になってくるでしょう。 -
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筆者紹介
原 慶之
ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)
ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(SDI)は、中国ビジネスにおけるリサーチ事業とアウトソーシング事業を中心とした中国ビジネスの実働部隊。 多くの企業が、実際に中国ビジネスを行う際に直面する様々な壁を、実際の実働と豊富な情報でバックアップし、顧客企業の中国ビジネスを成功へ導くソリューションを提供。 情報、実働、戦略を通して顧客企業の中国ビジネスをバックアップしている。 -
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