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ブログ・重田 靖男
第3回:「これはいい人が担当になった」
2007年3月22日
大久保はしばらく出番がなく、課長連中の報告を聞いているだけだった。
物流システム課の報告のとき、面白い発見をした。
当然ながら、システム課の報告には、ERPだのEDIだの、ASPといった英文字略語が頻発する。
大久保は、隣で聞きながら、資料に注釈をつけるべきではなかったか、野口課長も手抜かりだったなと考えていた。
当然、松川が質問してくると思った。
ところが、以外にも松川は、
「ERP、つまりEnterprise・Resource・ Planning のことだな」
「EDIというのは、Electronic・Data ・Interchange か」
といった具合に、野口課長の方が一瞬戸惑うという状態だった。
考えてみれば、松川はしばらく海外事業担当であった。
日本では、普及途上にあるこうした問題も、欧米では既に日常茶飯であり、現地法人の経営には必須事項なのであろう。
「これはいい人が担当になった」
などと、大久保が考えているうちに、各課の定型的な業務報告は終わった。
ちょうどお昼である。
午後は、テーマを『サプライチェーン改革を目指して』の中身に絞って、関係者だけで報告することになった。
「大久保君、一度、通して説明してくれないか」
昼食後、再開されると、松川副社長は大久保を指名し、復習の意味で資料を通して説明してくれといった。
川田部長、物流企画課長の西尾、物流システム課長の野口、それに、この提案を中心になってまとめた大久保が残った。この記事へのコメント
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筆者紹介
重田 靖男
東京ロジスティクス研究所
1941年生まれ。早稲田大学理工学部卒業。
資生堂で、物流開発プロジェクト室長、物流部長、マーケティング本部長を歴任。資生堂物流サービス株式会社社長を経て、株式会社東京ロジスティクス研究所を設立。
現在は顧問として、荷主・物流企業をコンサルティングしている。
【委員】
日本ロジスティクスシステム協会企画開発専門委員長
物流技術管理士資格認定委員および講師
日本物流学会会員 -
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