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ブログ・鈴木 邦成
「ロジスティクス」の解釈
2008年9月30日
「上屋」と「ウエアハウス」
よく知られていることですが、背広の語源は英語のcivil、あるいは英国の紳士服街サビルローの訛ったものといわれています。またポルトガルの時間を表す言葉から「天ぷら」という日本語ができたり、スペインの地方の名前が訛って「カステラ」になったりしたことなどもよく知られています。
ところで物流関係の言葉にもこうした外国語起源でありながら、もともと日本語だったように思われている語があります。たとえば日本語の「上屋」という言葉は英語のwarehouseが訛った言葉といわれています。
逆に古くから日本にある物流の用語でありながら、今はあまり耳にしないものもあります。たとえば、蚕の卵(蚕種)を貯蔵する「風穴」などという保管関連の言葉もそうした言葉の一つでしょう。ちなみに前回、当ブログで紹介させて頂いた富岡製糸場と関係のある絹産業遺産群には栃窪風穴などの貴重な蚕種保管の施設もあります。
「ロジスティクス」の意味の変化
ところで物流に関係する語についていうと、近年は「ロジスティクス」という言葉の意味も変わりつつあるようです。
これまではロジスティクスというと「戦略物流」と訳していたのですが、最近はどうもちょっと異なるニュアンスで使われているケースが多いようです。注意して聞いていると「戦略物流」というよりも「現代物流」というニュアンスに近い使われ方のようです。
実際、欧米でも「ロジスティクスという言葉のニュアンスは10年前、20年前と現在では異なる」という意見が出てきています。
ロジスティクスという言葉をどのように解釈するかが時代とともに変わってきていると考えてみる必要もあるようです。この記事へのコメント
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筆者紹介
鈴木 邦成
物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。 -
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