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ブログ・鈴木 邦成
欧州の物流ネットワークの変化
2009年4月26日
大型連休に突入
ついに大型連休に突入しました。行楽地、海外などに出かけられる方、逆に繁忙期となり、仕事量が増える方など、さまざまでしょう。
工場の生産調整などの目的もあり、2週間を超える連休という企業も現れている製造業、買物客などが繁華街に溢れることを期待して連日営業することになる小売業、そしてモノの動きがある限り休むことはできない物流業など、業界により、大型連休の体制は変わってくるわけです。
複雑な進化プロセスを辿る欧州物流
前回に続いて1990年代、2000年代の欧州における物流の方向性、物流ネットワークの変化について考えていきましょう。
欧州大陸のトラック運賃の下落は現地の日本企業にも少なからぬ影響を与えてきました。
1990年代まで日本企業はEU内の現地生産工場を西欧メーンに建設してきました。
しかし、2000年代以降は労働力が安く、しかし比較的に技術力もあるチェコ、ポーランドなどの東欧諸国に工場を建設する「東欧シフト」が加速してきました。
西欧企業の欧州大陸における物流ネットワーク構築を考える場合、運賃が安い東欧のトラックを使えば、東西欧州の陸上輸送コストが負担になることもないわけですが、東欧には先進的な港湾、空港などの国際物流インフラが整っていないという問題が浮上してきました。
結局、日本企業は東欧へのモノの移動に、たとえばオランダのスキポール空港やロッテルダム港などの西欧諸国の物流インフラを使わなければならないということになってしまいました。
欧州物流が複雑なプロセスで変化、あるいは進化していることに各企業が戸惑うことになってしまったといっても過言ではないかもしれません。
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筆者紹介
鈴木 邦成
物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。 -
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