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ブログ・鈴木 邦成
地方空港の行方
2010年3月12日
地方空港の活性化は可能か?
ご存知のように茨城空港が開港しましたが、今後の道のりは、かなり厳しくなることが各方面から指摘されています。
拙著『図解 物流の最新常識』(日刊工業新聞社)でもこのことには触れましたが、アジアのハブ空港建設競争に乗り遅れ、国際物流戦略で完全に後手に回ってしまった日本ですが、巻き返しは可能なのでしょうか?
民間のノウハウを重視!
これまで場当たり的、かつ画一的に進められてきた地方空港整備をプラスに生かすには、この際、思い切った民間企業の経営手法の導入が必要になるのではないかと思われます。
ローコストで気軽に飛行機を活用することができるようになれば、地方空港の活性化も決して不可能ではありません。実際、欧米諸国などでは航空自由化をプラスに生かした事例も少なからず報告されています。
たとえば、英国も多くの地方空港を抱えていますが、民間企業「英国空港会社」(BAA)がロンドン周辺のヒースロー空港、ガトウィック空港、ステンテッド空港、さらにはエジンバラ空港やグラスゴー空港などを傘下に収め、相互連携を可能にしながらのマネジメントを行い、高品質のサービスをローコストで提供できるスキームを完成させています。
また、採算の合わない大手航空会社に頼るのではなく、地方空港間の旅客、貨物輸送を低コストで運営できるベンチャー航空企業、スモールビジネス航空企業の育成にも力を入れるべきでしょう。
さらにいえば、近距離国際線への就航もこれまで以上に奨励し、認めていく必要があるでしょう。 -
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筆者紹介
鈴木 邦成
物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。 -
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