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ブログ・鈴木 邦成
物流施設の環境武装
2010年11月29日
日本不動産学会
日本不動産学会の平成22年度秋季全国大会が東京大学工学部で開催され、「物流施設
のグリーン化の現状と課題」という論題で論文発表を行ってきました。
東大本郷キャンパスは紅葉が見頃でした。
物流施設のグリーン化
物流施設の環境武装は省エネルギー法の改正などをアクセルに大きく進展し、環境をベースとした投資適格施設への関心も高まってきています。
荷主企業や物流企業の物流グリーン化を広く世間にアピールするうえでもロジスティクス戦略の中核に位置する物流施設の環境武装の充実は大きな説得力を持つようになってきています。
しかしながら、環境武装を充実させた物流施設の空室率が他の新設施設に比べて低いかというと必ずしもそうとはいえないようです。
むしろ、環境武装が上乗せされた賃料はテナントとなる企業にとっては大きな負担となる例もあるようです。
せっかく最先端の環境対策を施しながらもテナントの確保に苦労するという事例も少なからず存在するわけです。
物流業界からは物流施設のグリーン化が必ずしも高評価されているわけではないということを裏付けている結果ともいえるかもしれません。
無論、こうした状況は過渡期的なもので、今後、さまざまな不動産のグリーン化が進展していけば、高度な環境武装が標準化される可能性が高まってくることになるはずです。 -
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筆者紹介
鈴木 邦成
物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。 -
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