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ブログ・鈴木 邦成
第84回:物流拠点に必要な基本条件
2006年6月20日
ウエアハウスの構築は、輸送、配送、保管、荷役、包装、情報という物流の諸要素を有機的に組み合わせながら以下の点を十分、踏まえたうえで行われる必要がある。
(a)輸配送の効率化= ユーザー数、納品頻度、納品ロットなどを詳細に分析。
(b)保管の低減=在庫は可能な限りゼロに。
(c)荷役の効率化=積み下ろしの数は最小限に。
(d)包装の簡素化=ムダな包装は極力省く。
(e)情報の共有化=ウエアハウス内外の情報をパートナー企業と共有。
また、ウエアハウスを建設するにあたっては、まず立地の選定を行わなければならない。ただし土地利用条件に制約が多い日本では、最適のロケーションを選定しても、そこに思うような倉庫を建設することは難しいケースが多い。
なお、ロケーションの選定にあたっては以下の条件を考慮する必要がある。
(ア)輸配送のカバーエリア
物流施設が対象とする調達地やユーザーなどがどのように分布しているのかを把握することがロケーション選定の最大の要素となる。
(イ)輸配送の手段
鉄道貨物駅、港湾、空港、トラックターミナル、高速インター、あるいは工場などに近接していれば利点が大きい。また24時間稼働が可能な場所であるかどうか、トラックの進入路や待機場所などで近隣とのトラブルが生じない環境にあるかどうも重要である。
(ウ)用地の地価・法規制
物流施設の用地取得が容易かどうかも重要だ。便利な場所でも用途地域の指定によっては倉庫を建設できない場合もある。この記事へのコメント
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筆者紹介
鈴木 邦成
物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。 -
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