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  • ブログ・鈴木 邦成

    第227回:包装適正化と静脈物流の効率化

    2009年8月7日

     
     
     

     物流の五大機能とは輸配送、保管、荷役、流通加工、包装であるが、包装は、他の四機能に比べて軽視される傾向が強かった。しかし、環境戦略などとの関係もあり、包装分野への注目度は大きく上がっている。
     包装、梱包を工夫することで動脈、静脈をトータルで考えた物流ネットワークの構築を進めるうえで、包装・梱包の工夫は、多くのメリットを生み出す。包装は、保管や荷役をムリ、ムダなく行うための重要な物流の機能である。包装を行うことによって、物品の保護や仕分け、区分が容易になる。
     ただし、その半面、工場、物流センター、店舗などへの入荷後には多くの場合、廃棄物として処理されることになる。そこで使用済み段ボールなどの積み替え保管場所を充実させたり、中間処理設備を併設したりすることで静脈物流ネットワークへの連動を円滑化させる。
     さらには包装の機能を維持したうえで、容易に再生利用などが行えるしくみづくりを考えるようにする。例えば、内装箱と外装箱の間を紙、気泡緩衝材で埋めることがある。しかしそれでは、納入先で大量の廃棄物が排出されることになる。けれども内装品箱をPPバンドで固定すれば緩衝材が不要となり、コスト削減にもつながる。
     包装の標準化、梱包業務の簡素化を実現するうえで、高い効果を期待できるツールとして「通い箱」があり、これを導入することで、包装コストの削減と積載効率、保管効率、作業効率の向上と関連経費の節約を推進することが可能になる。

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    鈴木 邦成

    物流エコノミスト・日本大学教授
    国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
    欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
    国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

     
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