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ブログ・上西 一美
第102回:追突されたバス会社にも特別監査
2023年9月5日
日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長の上西一美です。前回のコラムで、5月16日の東北道での事故の件を取り上げましたが、皆さんは、追突された側のバス会社にも、国交省による特別監査が入ったことをご存知でしょうか?
追突された側のバス会社に、なぜ、特別監査が入ってしまうのか? まず、バス会社にも道交法違反の可能性があったということです。
高速道路上は、基本的に駐停車禁止となっています。今回の停止は、「エンジントラブルによるもの」と報道されていましたが、事故は事故をしないという結果も大切ですが、その事故に至った経緯も大切です。
今回の停車が、単なるエンジントラブルなのか? もしくは、整備を十分に行っていない結果、起こしてしまった停止なのか? この経緯は非常に重要となります。
また、高速道路上では、三角停止表示板などの設置が義務付けされています。これは、今回のような衝突事故を防止するためです。
しかし、報道を見る限り、そのような措置はされていなかったと指摘されていました。よって、衝突された側のバス会社にも非があり、被害者ではなく加害者になる可能性があることから、監査に至ったのではないか? と思われます。
このように、交通事故はその経緯が非常に重要になってくるため、今一度、確認して頂きたいのが次の2点です。
1.会社による3か月点検の確実な実施と、運転者による運行前点検の確実な実施
2.万一、緊急停止した時の措置を運転者に確認しておくぜひ、安全会議などで取り上げて、このような不幸な事故を二度と起こさないようにして下さい。今回のように、衝突され死亡したにも関わらず、その運転者を被害者でなく加害者にしてしまう可能性があるのです。
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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