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ブログ・上西 一美
第127回:死角を自分で作らない
2024年9月20日
JAPPA理事長の上西です。先日、千葉県立船橋北高等学校で、1時間半の講演をして来ました。テーマは「自転車事故対策」です。
実は高校生の死亡事故の約85%が自転車への乗車中で、その大半がヘルメットを装着していません。ヘルメット着用の努力義務はあるものの、なかなか増えません。その理由について、この高校の生徒に調査したところ、「面倒だから」「髪型が崩れるから」など、私も高校生なら、必ず言うであろう言い訳が書かれていました。
20年間、講演活動をしていますが、これほどアウェイ感を感じて登壇したことはありません。しかし、私の予想に反し、全生徒500人の反応は始めから良く、真剣に聴いてくれました。当初は90分話せるのかと自信がなかったのですが、最後は時間が足りないほどでした。
私はYahoo!ニュースのエキスパートコメンテーターをしていますが、今年は4月以降、高校生が犠牲になる事故へよくコメントしています。女子高生が左折トラックに巻き込まれた事故は、700mも引きずられるという悲惨なものでした。
自転車の左折巻き込み事故の9割が8トン以上のトラックというデータもあります。大型車は死角が多いため、自転車を見落とし、巻き込むリスクが高まります。
死角がある乗り物であることは仕方がありません。しかし、その死角を自分で作る行為は絶対に許されません。例えば、安全窓に長靴などを置いて塞いだり、カーテンを自ら閉めるなどの行為です。これ以上、高校生を巻き込む悲惨な事故を起こさないよう、しっかりと指導して下さい。
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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