日本事故防止推進機構（ＪＡＰＰＡ）の上西です。毎年、このコラムでも書かせていただいていますが、年末年始になると普段、車を運転していないドライバーやレンタカー、他県ナンバーの運転者などが増えてきます。道をよく知らない可能性があるドライバーの動きには注意が必要です。

このような運転者は、安全意識が高く、経験も知識も豊富なプロドライバーとは判断能力が異なります。人は相手の車両の動きを予測する時、すべて自分が基準となります。例えば、先行車が左にウィンカーを出した時、運転者は『自分ならこのタイミングでスムーズに曲がれるから、前の車両もそうに違いない』という判断基準のもと、相手の動きを予測していくのですが、自分の想定よりも手前で止まられると、追突事故を起こしたり、急ブレーキによる荷崩れ事故となります。

要するに、この時期の、これら経験値も知識も違う運転者の動きを予測することは、非常に難しいということです。

他県ナンバーやレンタカーはナンバープレートを見ればわかります。また、初心者マークや高齢者マークなども外から判断ができます。しかし、一般の運転者の経験値やその人の安全意識は見た目ではわかりません。

よって、年末年始に限らず、周囲の車両の動きはそもそも予測できないものと考え、車間距離を確保し、不測の事態に備える防衛運転が必要となります。

このコラムも、今年はこれが最後になります。２０２４年は激動の年と言われた中で、今年も残念ながら、たくさんの死亡事故が発生してしまいました。来年は不幸な事故が１件でも起きないよう、このコラムなどでしっかりサポートさせていただきたいと思います。１年間本当にありがとうございました。良いお年をお迎えください。