日本事故防止推進機構（ＪＡＰＰＡ）の上西です。人材不足が深刻化するいま、運送業界にとって「採用した人材をいかに守り、育てるか」は大きな課題です。せっかく採用できた新任運転者が、入社後まもなく事故を起こし、そのまま離職してしまう。こうしたケースは決して珍しくありません。

統計的にも、新任運転者の事故率はベテランに比べて高い傾向にあります。だからこそ、事故を未然に防ぎ、人材の定着を支える教育が求められています。

私たちが提供している「トラック新任運転者15時間研修」は、その解決策の一つです。Ｚｏｏｍを活用したオンライン形式で、年間２０００人以上が受講しています。特徴は、ドライブレコーダー映像を使った〝疑似体験型〟の学びです。受講者は、迫力やリアリティのある映像で体感することで、「もし、自分だったらどうするか」を自分ごととして考えられるようになります。その積み重ねが、安全運転行動へと確実に結びついていくのです。

導入いただいた企業からは、「この研修を受けた新人は事故を起こさない」「入社後、すぐに辞める人がいなくなった」といった声が寄せられています。教育に投資することは、単に事故を防ぐだけでなく、採用した人材を守り、会社の信頼を守ることにも直結します。結果として、経営的なコスト削減にも大きな効果を発揮します。

Ｚｏｏｍ研修は決して簡単に運営できるものではなく、準備や進行には手間がかかります。しかし、その手間を惜しまない姿勢こそが、企業にとっての責任であり、人材を大切に育てる第一歩だと私たちは考えています。人材不足の時代だからこそ、一人ひとりを事故から守り、安心して成長できる環境を整える教育が必要なのです。