-
ブログ・上西 一美
第17回:「ながら運転」はもはや飲酒運転
2020年2月10日
皆さん、JAPPA理事長の上西です。
前回のコラムでも触れましたが、今月から「ながら運転」に対する罰則強化が実施されました。この罰則ですが、少し盲点があるように私は感じています。
たしかに、保持をして検挙された場合、違反点数が3点、反則金は大型の場合、2万5000円となります。
そして、交通事故を起こしてしまった場合は、反則金の対象から除外されて、30万円以下の罰金刑、さらに違反点数は6点となり初期免停となってしまいます。
ただし、私のYouTube番組でも解説したのですが、これで終わりと思ったら非常に大きな間違いです。
万一、「ながら運転」で事故を起こし、相手に怪我を負わせた場合、どうなるのでしょうか?
当然、人身事故になると、その人身事故分の点数と罰金も加点・増額されます。仮に相手の方に、15日以上の治療が必要な診断が出たような事故になれば、点数は6点で、罰金は平均で20万円から50万円となるのです。
ということは、違反点数は一気に12点、そして、罰金も80万円が上限になる可能性が高くなるのです。
要するに、交通事故1件で、長期免停が確定してしまうのです。
私は最近のセミナーで、よくこのような表現をしています。「ながら運転は、もはや飲酒運転なのです」。
以前、飲酒運転に関しても罰則が今のように罰金が100万円になるような時代ではありませんでした。
福岡での大きな事故から飲酒運転により犠牲者がたくさん発生し、法改正が行われました。
「ながら運転」に関しても、2016年10月のポケモンGOをしながらの死亡事故を皮切りに、たくさんの悲惨な事故が続きました。
このような社会の変化があり、今回の法改正に至っています。もう飲酒運転はしないのが当たり前になっています。
この「ながら運転」も、しないことが当たり前になる時代が来たという認識を持たないといけない。
今回の法改正は、こう捉えないといけないと私は思います。
【YouTubeで番組を始めました】
上西一美のドラレコ交通事故防止 -
-
-
-
筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
「ブログ・上西 一美」の 月別記事一覧
-
「ブログ・上西 一美」の新着記事
-
物流メルマガ