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運送会社
新郷運輸 健康経営優良法人認定を取得「健康経営で品質向上」
2020年5月22日
健康診断受診を促しても、ドライバーらはなかなか受診せず、喫煙率も8割を超えていたという新郷運輸(赤城義隆社長、埼玉県川口市)では、8年前の平成24年から健康経営に取り組み始めた。
総務の赤城伸子さんは、健康に無関心であったドライバーに危機感を抱いていた。「このままでは病気で会社から離れなければならない人が出てくる」。まずは、健康診断の受診率向上に取り組んだ。
伸子さん自らも食事や運動など、健康について勉強し、ドライバーの健康管理にアドバイスできるよう心がけていった。
伸子さんはじめ、会社のこうした取り組みによって、ドライバーの意識に変化が見え始め、健康に気を使うドライバーが出てきた。そして健康診断受診率100%を達成する。昨年、健康経営に取り組んでいる姿を目で見える形にするため、経産省が設計を行い、日本健康会議が認定する健康経営優良法人認定制度に応募し、中小規模法人部門で認定を取得した。
同認定は1年更新のため、今年も同認定に応募、3月に無事認定を取得した。
「認定を取得することで、うちはこんな会社だよということが、顧客や入社希望者など対外的に理解を促すとともに、自社のドライバーという内部にも、周知徹底が図れる」と赤城社長は指摘する。
実際、健康診断の受診率だけでなく、健康診断で問題を指摘された人が受診する再検査の受診率も、今ではほぼ100%を達成している。
また、同社ではドライバーの健康管理に対する支援も手厚い。がんや脳卒中などの三大疾病に対し、本人の治療費が賄える保険加入も行っており、実際にがんと診断されたドライバーが保険で治療費を賄え、現場復帰できたという事例も出ている。
「とにかく健康起因による事故を出さないことを目標に取り組んでいる」と、同社長が言うように、同社の健康経営への取り組みには、余念がない。
伸子さんによると、社内では、塩分の取り過ぎや甘い缶コーヒーの飲み過ぎなどは、なぜだめなのかなど、健康に関する話題が普通に飛び交うようになっており、今では、健康に関する話題がコミュニケーションツールの一つになっているという。
そうした環境もあり、自然と喫煙率も下がり、健康経営に取り組んだ当初、8割だった喫煙率が4割まで下がった。
従業員あっての会社で、その従業員に病気などでリタイアされることのリスクは大きい。ましてや、人手不足で、人材確保が難しくなっている現状にあっては、中小・零細規模の事業者にとっては、死活問題にもなりかねない。「ドライバーの健康管理に力を入れることは、元気で働いてくれることを意味するとともに、それは引いては輸送品質の向上にもつながっていく」と、同社長は話している。
◎関連リンク→ 有限会社新郷運輸
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