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    明治乳業・桜井係長「エコドライブ柱に企業価値向上」

    2009年1月6日

     
     
     

     大正6年創業、日本最大手の乳業メーカーである明治乳業(浅野茂太郎社長、東京都江東区)の物流システムは、大きく二つに分けられる。
     一つは牛乳、ヨーグルト、クリームなどを扱う「市乳部門」。この部門では東海地方を境に、東西に分けた二か所の受注センターで全国からの注文を受けた後、グループ会社の明治ロジテックが担当する配車センターで配車計画を立て、各工場から顧客および全国各地へと製品が配送される。


     両受注センターには情報直結の「需給チーム」があり、日々生産計画を立て、調達・生産・出荷計画を調整する。
     一方、「市乳以外の製品を扱う部門」はすべて東京・両国の受注センターで受けており、工場から営業倉庫までの幹線輸送の大半は明治ロジテックが、その先の全国各営業倉庫からの配送は協力運送事業者が行っている。バター、チーズなどを生産・販売する、これら部門では月単位で生産計画を立てるが、その際、生産・物流・購買の各部門が集まり、サプライチェーンマネジメント管理の考えから効率化を図っている。
     同社の物流ポリシーの柱はエコドライブ。「06年から施行された改正省エネ法への対応がきっかけ」と話すのは、物流部企画1Gの桜井保係長。「当社は完全に特定荷主の条件に該当することが分っていたので、まずはエコドライブを実施しようと05年1月、グループ物流事業者2社と明治乳業から1人ずつの3人でエコドライブ推進委員会を立ち上げた」。2か月に1度、エコドライブの進捗状況の把握を兼ねて勉強会を行い、配送員の教育にも力を注いだ。
     同5月には「明治乳業エコドライブ8箇条」も出来上がった。内容は(1)余分な物(夏場のチェーンなど)を積まない、(2)日常点検の徹底、(3)不要なアイドリングを慎む、(4)「急のつく」運転はしない、(5)安全速度での走行、(6)適切なシフトアップとエンジンブレーキの活用、(7)無駄な空ふかし厳禁、(8)適正なエアコン使用。
     各ドライバーのプロ意識を重視し、この8箇条の出来るところから実践するよう現場に任せているという。エコドライブ活動を広げるため、翌年3月には明販各社、四国明治乳業、明治ケンコーハム、明治乳業総務部からの担当者もエコドライブ推進委員会のメンバーに加え、2か月ごとの勉強会を続けた。
     現在は「安全運転は自分も家族も守るもの、出来るところから少しずつ、結果より過程重視、燃費は管理指標だが絶対ではない」という、この勉強会から生まれた4つの推進ポリシーを中心に活動している。さらに、エコドライブの推進と同時に同社と明販各社とで重複して配送していた得意先への配送も、グループとして共同化・効率化を図り、最前線配送員のマナーに至るまで、ブランドイメージを向上させる物流システムを推進した。
     「小さくても事故を一つ起こせば、人的にも資源的にも損失は大きい。コツコツ削減したCO2も逆に増大してしまう。エコドライブとは、事故を起こさない安全運転のことであり、環境認識を含めた社会的責任を果すこと。今後も安全運転を意識したエコドライブを広げていきたい」と桜井係長は力強く語る。(小澤 裕)
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    桜井係長

     
     
     
     
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