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    雪印乳業・幸坂物流部長「販売計画を分析、在庫量が半減」

    2009年2月18日

     
     
     

     大正15年から「雪印」の商標を背負い、雪印乳業(高野瀬忠明社長、東京都新宿区)としての設立からも58年の歴史を刻む。現在、取り扱う商品は家庭用および業務用のチーズ、バター、マーガリン、粉乳など加工乳製品で、飲料とする市乳類は含まれていない。
     「製品製造の流れは大きく2つに分かれる」と説明するのは、物流部の幸坂眞也部長。一般家庭用のプロセスチーズ、マーガリンは本州の3つの工場と関連会社の工場を合わせた4工場で作っているが、生乳から製造するバターやナチュラルチーズ、粉乳などは、原料となる生乳の生産量は北海道が大きく占めるため、北海道の6つの工場で製造しているという。


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    幸坂物流部長
     「2000年の食中毒事件、02年の子会社による牛肉偽装事件の後、事業構造が大きく変わったことを機に、03年9月からSCMシステムを導入した」と幸坂部長は話す。一般家庭用製品類は、ABC分析でAクラス主力製品は7─10日、Bクラス製品は20日の在庫期間をめどに、物流部のSCMアナリストが3か月先までの販売計画を分析。毎週見直しと修正を行い、関係部署と調整している。
     これにより在庫量の約50%カットに成功し、億単位のコスト削減につながったという。製品は工場から関東・関西の2つのマザー倉庫を経て、フロント倉庫のある4地区へと輸送し、その後、各取引先に届ける。現在は、東北と中部地区に関しては効率向上のためフロント倉庫を介さず、マザー倉庫から直送している。
     幸坂部長は「グループ内には物流子会社をなくしたので、協力運送事業者と、より良いパートナーシップを組むことが重要と考えている」と述べ、「店頭での品薄状態が続かないよう、安定した供給ができるシステムの確立が目標」とも語る。
     北海道内からの生クリーム、脱脂濃縮乳の出荷体制のうち、脱脂濃縮乳は、それまで全面的に使用していたローリー車を6月から月間60─70台程度、ソフトタンク利用の輸送体制に変更。「冷蔵状態で輸送できるため、万一、足止めなど予期しない状況にあっても鮮度が保てる」というのが理由で、帰りは空タンクをコンパクトに収納して「帰り荷としての輸送活用ができ、輸送効率が向上する」とも。ただし、生クリームは従来通りローリー車で運搬を続けている。
     また、バターやチーズ、ドライと呼ばれる粉乳類などの大量輸送はモーダルシフト化を進めている。鉄道での輸送量は月間で5tコンテナ約1100個に及び、07年には、環境問題に積極的に取り組んでいる企業や商品であることを示す「エコレールマーク取組企業」の認定を国土交通省から受けている。現在、鉄道38%、海上32%、トラック輸送は約30%という。
     幸坂部長は「今後もコストダウンだけを意識することなく、社会貢献や環境保全も考慮しながら、物流機能の効率化に向けて取り組んでいきたい。大きな目標を持って対応していく」と話す。
    (小澤裕記者)

     
     
     
     
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