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    オムロン(前編)「CO2排出量の『見える化』を可能に」

    2009年10月20日

     
     
     

     環境対策でCO2排出量削減が企業活動に求められるようになり、物流分野のCO2削減に荷主責任を果たせるかも問われている。排出量の削減・改善は、まず製造・販売・物流など企業活動全域においてCO2が「どこで」「どれだけ」排出されているのか―という課題抽出が始まりだ。オムロン(作田久男社長、京都市左京区)は製造現場や社会インフラなどで実績を重ねてきた技術ノウハウを活用し、CO2排出量を実測した「見える化」を可能にした。


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    佐藤主査
     CO2排出量「見える化」を可能にしたのは、同社の「センシング&コントロール技術」だ。物の状況や属性をとらえて情報を取り出す「センシング技術」と、そこから得られた情報をさらに価値あるものへと形にする「コントロール技術」をベースに、CO2排出量を「見える化」する。次に「見える化」で抽出した課題から最適な改善策を導き出して、CO2削減実行プランを提案するのが同社のソリューションだ。
     オムロンは3月21日に社長直轄部門「環境事業推進本部」を新設。環境事業に本格参入し、グループ全体で統括して新事業創出と強化を進めている。4月には環境ビジネスにおける物流ソリューションの提供開始を発表した。
     なぜ物流なのか。同本部で物流CO2削減の分野を手がけるソリューション商品部グリーンアプリグループの佐藤尚良主査は、その理由をこう話す。「企業活動をサプライチェーン全体でとらえると、今までのエネルギー管理やCO2管理は製造部門やオフィス内だけが着目され、物流は意識されていなかった」。
     荷主企業の多くは物流を物流事業者に委託しているため、荷主企業がCO2排出量や物流コストを詳細に把握するのは難しかったのが現状だ。これをオムロンの技術でCO2排出量を実測し、「見える化」してCO2排出量削減と物流効率化、物流コスト削減を実現するのだ。
     具体的な算出方法はどうしているのか。省エネ法では荷主のエネルギー使用量算出方法として「燃料法」「燃費法」「トンキロ法」の3つの方法を定めている。「荷主がCO2を把握する現状では、省エネ法のトンキロ法がわかりやすい」(佐藤氏)として、輸送距離・輸送重量・積載率を自動的に計測するアプリケーションを開発した。
     「トンキロ法」による算出では「輸送距離×重量×改良トンキロ法燃料使用原単位(積載率)×燃料別単位発熱量(規定値)×CO2排出係数(規定値)=CO2排出量」となる。これまでは多くの荷主が、規定値以外の輸送距離・重量・積載率について仮定の数値である「みなし値」で算出していた。この仮定の「みなし値」から計算する方法は算出精度が低い。
     そこでオムロンは、「みなし値」であった輸送距離・重量・積載率を「運行管理システム」「走行車両重量計測システム」「車両ナンバー読取システム」を使って実測し、CO2排出量算出精度の向上を実現した。各システムを用いて同社でCO2排出量の「見える化」をテスト計測すると、「みなし値」では見えなかった新たな物流改善策が見いだされた。(つづく)

    → オムロン(後編)「『見える化』で価値ある環境対策を」

    → オムロン

     
     
     
     
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