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    中兵庫運輸 「自分の荷物は自分で」

    2010年11月12日

     
     
     

    【兵庫県】中長距離輸送が主力の中兵庫運輸(北野芳則社長、兵庫県丹波市)は今秋、牛の飼料を配合するプラントを増設し、増産に備えている。「自分のところの荷物は自分で作れ」の意気込みで同社が配合業務に取り組んで約10年。飼料の輸送は牧場側が仕立てたトラックでなされることも多いが、いまや配合自体が独立した部門として事業活動全体に好影響を与えている。
     本社敷地内にある配合工場。プラント周辺は、配合前の数種類の植物性原料が地面にこびりついており、ヌルッとする個所もところどころにある。
     工場長の市橋幸雄さんは慣れた足取りや手つきで、原料となる発酵した綿花の塊を二つ、フォークリフトで2mほど持ち上げた。大きな釘抜きのようなものを使ってプラントの上で粉状の塊を崩し、大きく口の開いたプラントに放り込んでいく。


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     原料はこのほか、さとうきびやパイナップルの皮、糖蜜のような液体など数種類。ほとんどが輸入物で、神戸港に同社のトラックが取りに行くことも多い。
     細かい配合割合は企業秘密だが、プラントから出る出来立ての飼料はトンバッグに入れられ、1日寝かせて発酵させる。すると、「牛の胃がもたれず、よく食べるので成長がいいと評判」(北野社長)の飼料が、いよいよ出荷されることとなる。
     同社が生産する飼料は1日平均7ー8t。多い月では300t程度になる。県北部など近隣のほか、淡路島や三重県、遠くは九州の牧場にまで出荷される。飼料配合を業とするには農水行政機関に届け出が必要で、同社長は「配合業者というのは案外少ない」とのこと。
     胃がもたれないなどの付加価値をうたっても値付けが難しく、それゆえ採算ラインが厳しいのはこの業種に限ったことではない。「人件費を賄える業者がほかにいくらもあるというのは考えられないし、聞かない」(同)とも。春から夏にかけての「口蹄疫」騒動でも、同社と同じように運送を兼務していた業者がつぶれたとも聞いている。
     同社が牛とかかわりを持つようになったのは35年も前のこと。最初のころは近隣の牧場にエサを配達していた。飼料の配合に進出したきっかけは10年ほど前、配合業の荷主が手を広げられずに困っていたこと。そして、別の荷主が数件倒産したことが「何か始めねば」の動機として働いた。
     配合プラントの1号機と計量機を、数百万円投じて導入し、荷主の手伝いを始めることになった。2号機プラントは売却が決定しており、今秋入れた3号機で倍にまで増産できる体制づくりが済んだ。同社長は「飼料の輸送で自社のトラックが動くということはあまりなくなったが、飼料の仕事が順調だと、割とトラックも遊ばずにいる」と話し、奇妙な相乗効果があるとみている。

     
     
     
     
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