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    セントサービス 物流と福祉に注力

    2013年3月22日

     
     
     

     物流と福祉という異色の事業展開で成長を続けるセントサービス(千葉県柏市)。同社を率いる佐藤綾子社長も異色の女性社長だ。
     もともとは金融機関に勤めていた同社長。人生の転機は、「息子を預けていた保育園の園長先生の一言だった」という。軽度の障がい者を自宅で世話していた園長に「手伝って」と声をかけられる。当時、障がい者との接点が一切なかった同社長は、「とても無理です」と一度は断ったが、いつしか住み込みで世話をするようになった。


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     園長の信頼を得た同社長は「10人ぐらいを任されるようになり、いつの間にか福祉業界に足を踏み入れていた」。その流れで、知的障がい者や高齢者の就労支援を目的とするNPO法人「いもむし」の立ち上げにも奔走する。
     そんな折、「大手の引越会社に勤めていた夫にガンが発覚。夫は退職し、障がい者の作業の受け皿として、NPO法人内に引越部門を立ち上げることになった」という。
     「夫の前職のつてもあり、引っ越しの仕事には困らないはずだった」が、「NPO法人とは契約できない」というハードルが立ちふさがる。そこで、契約をスムーズにするため、さらなる社会貢献のためにと、一念発起して法人化したという。
     代表には同社長が就任。初めは軽貨物が中心だったが、業容の拡大に伴い緑ナンバーも取得。一時は車両15台の規模にまで拡大したが、「夫が他界し、引っ越しの専門家が不在になったことで大きなダメージを受けた。廃業も考えたが、娘と娘婿がやる気になってくれて再生を決意した」という。
     経営を立て直すため大胆なテコ入れも実施。「帳簿をしっかり見返すと、一番の売り上げだったところが一番の赤字であることに気づき、その仕事を思い切ってやめた」。余剰車両も処分し、身の丈に合ったサイズで12年1月から新たなスタートを切った。社員数は減ったが、「付いてきてくれる人だけが残った」と目を細める。
     現在は、引っ越し、一般貨物、そして新たに始めたコンテナ、倉庫事業の4本柱で事業を展開。コンテナ事業は、押入れ産業との出会いにより開始した。八木啓輔副所長は「引っ越しを手掛ける当社にぴったりの事業。顧客にも安心して利用していただける」と胸を張る。
     また、倉庫事業では、アクセサリー会社のセンター運営を任されており、「いもむし」の障がい者スタッフを雇用することで、社会貢献にも寄与しているという。
     同社長の原動力は、「規模は小さくても、複数の事業を固めていけば安定していく」という信念。今年は、「1年かけて、より福祉事業に注力していきたい」と意欲を燃やす。掲げる目標も同業他社とは大きく異なるが、「せっかく仕事をするなら、社会に貢献できるような仕事を」と笑顔で語る。
    ◎関連リンク→ セントサービス株式会社

     
     
     
     
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