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運送会社
トキハマエキスプレス 荷主へのアンケート結果を分析
2016年10月21日
「運送事業では、社長も含め一緒に走って注文をこなすのも時には必要。しかし、そこからさらに良い条件での取引を見据え、良い仕事を取れるようになれないと社員に満足してもらえる条件は整えられない」と話すのは三重県の運送会社の社長。良い条件の仕事はやはり競争が激しい。しかし、その中であっても会社や従業員のために良い仕事を取れるようにしていくことが会社の成長につながる。そのためにも荷主の印象に残る、または信頼を勝ち取るような創意工夫が必要だ。
「我々に求められている仕事の基本は、積んだ時の状態を保ったまま届け先へ持っていくこと」と話すのは愛知県の運送事業者。同社ではアイスクリームの輸送をメーンとし、24時間体制での温度管理を行い、会社から離れていても品質状態を確認できる体制を取っている。同氏は「日報なども毎日記入するよう徹底しているので、お客様から日にち指定で確認を求められても対応できる。アイスクリームの輸送を手がけていれば普通のことだ」と、求められる輸送品質についてコメント。同社は早くから、こうした品質管理に着目する姿勢が運転者の教育体制などとともに評価され、取引先からアイスクリーム以外のチョコレートや飴といった菓子類の配送を依頼されるようにもなったという。
同県で遊戯機器輸送をメーンとしている事業者は、出入り口のセキュリティはもちろん、倉庫内部にも死角ゼロで全てが見渡せるよう監視カメラを設置しているほか、トラックの扉にもセンサーを装着。同社社長は「他社でもセキュリティを強化しているだろうが、ここまで徹底している所は少ないかもしれない。しかしお金の絡むことでもあり、お客様に信頼してもらうためには当然やるべき」と、品質保証の必要性を強調する。
このように、顧客の特性に合わせて施設や装備体制の強化を施し顧客満足を狙う事業者は少なくない。そして、顧客目線でものを考え、安心してもらうという狙いは、施設や装備の強化を伴わない部分においても有効だ。
大阪府に本社を置くトキハマエキスプレス(原田幸之助社長)では、積み込み完了時の写真をドライバーが撮影し、積み込み完了報告としてファクス送信しているという。また受領書送信に際してもカラープリントした写真を同封しているという。原田社長は「自分が荷主だったら、絶対に気になるポイントだと思い、実行するようにした。最初は運転者も素直に実行してくれなかったが、荷主からのアンケートで感想を見たりするうちに、自然と実行するようになった」と話している。
同社では初めての顧客にはアンケート用紙を送り、好評を得た点などを分析。アンケートには先の写真送付などの丁寧な対応を評価する声が多々あり、好評を得た所から再び仕事を依頼されたケースもある。
原田社長は「他社と同じことをしていてもお客様の印象には残らない。印象に残ることをしていかないとダメ」と指摘。同時に「そのうち、同じようなことをする会社も出てくると思う。常に次の手を考え続けていく必要がある」と先を見据えている。
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