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運送会社
木元産業 障害者雇用で表彰、チャレンジドWORK推進事業所に
2018年11月2日
今年4月から、企業などに義務づけられている障害者雇用の対象に、精神障害者(発達障害を含む)が加わり、それにともない法定雇用率も0.2%引き上げられた。運送事業者でも少しずつ障害者雇用は進んでいるが、能力を引き出すことができるのか、社内で任せられる仕事についてなど、悩みも多いのが現状だ。そのような中、以前から多様な人材を雇用し、業績を伸ばしているのが木元産業(木元博信社長=写真右、滋賀県湖南市)だ。
同社はこのほど、毎年9月の障害者雇用支援月間にあわせて実施される「障害者雇用優良事業所等表彰」で、「チャレンジドWORK推進事業所」として滋賀県から表彰を受けた。積極的に障害者の雇用を推進し、職場実習や委託訓練などを受け入れているなど、障害者雇用の促進に協力している事業所として認められた。木元社長は「長年の実績が認められ、何より社員たちが受賞を喜んでくれたのがうれしい」と話す。
同社は運送業だけでなくプラスチック製品二次加工やリユースの提案など、さまざまな業務で他社との差別化を図っている。障がいのある社員の雇用を始めたのは、先代社長の時代からという木元社長。行政からの依頼で、養護施設からの職業体験を受け入れはじめ、複数人を採用するようになった。また近年では、長年のひきこもり経験者や病気で前職を辞めた社員も採用。「現場の上司社員が目をかけていれば、能力を発揮し徐々に仕事に責任感が芽生えてくる。無遅刻・無欠勤で優秀で、社員の中でも愛されるキャラクターになっている」と話す。
同社は昨年から製造業に本格参入。物流システムの製造は20代から30代の若手が中心となって行う中、障がいのある社員も今では居なくてはならない存在となった。「誇りを持って業務に励んでいる姿はイキイキしている。『君がいないと困る』と声をかけると、本当にうれしそうにしてくれる」(木元社長)。
同社では以前、15年以上にわたり勤務している男性社員が、勤労障害者表彰で優秀勤労障害者として知事から表彰を受けたこともある。「社員の成長が私だけでなく先輩社員の励みになる」と木元社長は話す。
病気や家庭事情などで今まで通りに働けなくなっても、配置換えを行うことで、離職を防ぐことが、社員定着の要因と言える。「一つの仕事が合わなくなっても、その他の仕事を任せることで新たな才能が開花するのは、どの社員にも当てはまること。企業が努力すれば、必ず社員が輝く場所は見つかるのでは」と話した。
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