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運送会社
BDFで新事業モデル 尾張陸運
2008年2月28日
【愛知】尾張陸運(伊藤敏彦社長、愛知県尾張旭市)は、廃食油からBDF(バイオディーゼル燃料)を製造し、燃料費の削減と環境負荷の軽減に取り組んでおり、それを収益につながるビジネスモデルを構築している。
同社は軽油価格とBDFの製造コストとの差額を燃料費削減とするのではなく、廃食油を有価物として輸送する新ビジネスと考える。1軒の集荷で18L入りポリタンクを最低2本、多いところでは20本回収するが、1本で540円を集荷回収運賃に計上することで、運送事業の収益向上を図っている。
また、集荷時間の制限も少ないため、空き時間や帰りに集荷して実車率も高まるという。引取先は給食施設のある病院や学校、飲食店などで、これまでに45軒開拓した。
廃棄物処理法の関係で所有権の移転が必要なこともあり、リッターあたり5円で買い取っている。これも含めた製造原価は同55円ほど。 実際のところ、集荷回収運賃は軽油と製造原価の差額の範囲内で任意に決めることが可能だ。
現在は月に3000L製造し、すべて自家消費。BDFは本来無税だが、軽油と混合すると全体が課税対象となるため、5台の車両に限定してBDF100%で使用。車両に不具合はないという。
当面の目標は月生産5000Lだが、将来的には1万Lを目指す。ただ、「どれだけ使えるかという問題はある」(製造担当・石原清美顧問)という。
というのも、最近のエンジンはコモンレール方式だが、メーカーによるとBDFには適さないとしているためだ。そのため、来年秋に建設予定の物流センターでは、フォークリフトをエンジン式にして、BDFを活用することも検討している。
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