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    「法令試験」概要固まる、新規参入への影響必至

    2008年5月1日

     
     
     

     国交省は7月1日以降に受け付けるトラック事業の新規許可事案に対する「法令試験」導入を決めていたが、その概要が固まり、各地方運輸局および沖縄総合事務局に事務連絡として発出した。
     貨物自動車運送事業法など関係法令から30問を出題。設問は「○×方式及び語群選択方式」とするなど、現行の運行管理者試験に似た形式となりそうだ。


     同省は「試験に合格しなければ許可しないということでなく、法令違反行為の抑止につなげたい」と強調するが、法改正で「必要な法令知識」を許可基準に加えたほか、具体的な運用は各運輸局に委ねられており、今後、新規参入に影響することは必至だ。
       ◆
     国交省は法令試験の導入を目的に、3月31日付で「一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業の許可及び事業計画変更認可申請等の処理について」の一部を改正。処理方針の「法令順守」の項目に「申請者又はその法人の役員は貨物自動車運送事業の遂行に必要な法令知識を有し、かつ、その法令を順守すること」を追加した。
     7月1日以降、法令試験を実施することになる申請事案は(1)一般貨物自動車運送事業(特別積み合わせ貨物運送をする場合を含む)の経営許可申請、(2)一般貨物自動車運送事業(同)の譲渡・譲受、合併及び分割、相続認可申請、(3)特定貨物自動車運送事業の経営許可申請で、初回の試験は「原則として許可申請書等を受理した月の翌月」に実施。受験者は「申請者」本人。法人の場合は「許可又は認可後、申請する事業に専従する役員のうち一名」とされる。試験実施予定日までに「実施日時・場所等を記載した書面」などで申請者に通知。試験の結果、合格基準に達しない場合は再度、試験が行われる。
     出題範囲は「貨物自動車運送事業法および同法施行規則」「貨物自動車運送事業輸送安全規則」「貨物自動車運送事業報告規則」「自動車事故報告規則」「道路運送法」「道路運送車両法」「道路交通法」「労働基準法」「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(厚労省告示第七号)」「労働安全衛生法」「その他一般及び特定貨物自動車運送事業の遂行に必要となる法令等」と規定。
     試験時間は50分で、合格基準は「出題数の8割以上」。試験場へのパソコンや携帯電話など情報通信機器の持ち込みは禁止だが「自動車六法」などは可能という。
     試験問題は各運輸局がそれぞれ独自に作成することになるが、本省で6月上旬までに例題を「参考として」3例作成する。同省貨物課では「地方運輸局で例題の追加、改善など積極的に行ってほしい」と説明。また、「試験の実施主体は国でなく地方運輸局。ただし受験者の利便や各地の実情に応じて、運輸支局、適正化事業実施機関なども活用してもらいたい」としている。
     国交省では「あくまで事業者のコンプライアンスの意識を高めることが主眼で、新規許可に直接的な影響はない」と強調するが、4月18日付で早々と法令試験実施を「公示」した近畿運輸局は「不合格なら、何度でも再試験を受けてもらう。その間は許可しない」姿勢で、他の運輸局も追随するとみられる。
     また、試験の不合格者を対象に、国は「研修や講習など各運輸局の判断で積極的に行ってほしい」と要請。近運局でも検討したが「旅客とのバランスを考慮」し、再試験のみにしたという。
     法令試験は6月30日付までの申請については適用されないため、一部で「駆け込み申請」も予測されている。東ト協で役員を務める事業者は「新規許可基準に組み込まれたのだから試験結果は『許可する、しない』に直結しなければ不合理。国の説明はおかしい。規制緩和で過当競争になっている。各地の運輸局の判断で実質的な参入規制につなげてほしい」と本音を語った。
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