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    三愛・八田会長「運送を起点に多角経営で拡大」

    2008年6月4日

     
     
     

     三愛(八田多佳子社長、大阪府門真市)は昭和28年の設立から今年で55年目を迎えるが、運送事業を出発点として多角経営を展開。自動車整備業や販売業、保険事業、プラスチック製品製造業など着実に事業を拡大させ、今年1月期決算で売上高40億円を達成した。
     同社の企業ポリシーに「CHOUREI BOKAI」(朝令暮改)がある。一つの方向に固執し続けない柔軟な発想が、同社の大きな土台となっている。


     朝令暮改は「朝言ったことを夕方に変える」という意味だが、同社では、「間違ったもの、悪癖、悪いものは即時修正、改良していく」という前向きな意味でとらえている。品質改善のキーワードとしてもとらえ、品質向上を追求し続ける企業風土が浸透している。
     同社は、創業者である八田廣實会長が終戦後の混乱期に、裸一貫で立ち上げた。昭和28年に旧運輸省の免許を受けた同社は、「運送事業一本では好不況の中に埋没してしまう」(会長)との判断から、同42年に自動車分解整備事業を立ち上げ、「三愛自動車工業オートサービス」を誕生させた。
     トラックの巡回メンテナンスから始め、事業は順調に推移。その後、自動車整備事業指定工場の認可を受け、現在は小型車から大型車までの一般整備、車検整備、鈑金塗装と本格的な総合整備工場に成長した。
     同48年、オイルショック発生の不況時に新たな事業を模索。本社事務所を自動車ショールームに改装し、新車、中古車の自動車販売事業を開始した。販売台数は伸び続け、乗用車からトラックまですべての国内メーカー車種を扱う。
     同61年に「三愛保険サービス」を設立。特級代理店資格をベースに、すべての保険に関するサービスに取り組む。
     多角経営は自動車関連事業以外にも目を向けられる。保険事業を立ち上げた同年に製造業の「三愛化成」を設立し、排水処理用接触材、クーリングタワー用浄化槽の製造を開始。現在は大阪・三重・福岡の3拠点で、浄化槽や冷却塔用充填材の製造を行い、国内でもトップクラスの生産量を誇っている。
     運送事業では、平成4年に航空貨物事業部を設置し、輸出入の貨物の取り扱いを開始。同17年には中部エアカーゴ事業部を開設し、現在は118台の自社便と多彩な物流ネットワークを活用して、多様な物流ニーズにこたえている。
     同15年に各法人を集約。8事業部として独立採算制を採り、各部門が収支調節を図る経営手法で成長を続けている。
     同年、ISO9001の認証を取得したが、一昨年に脱会。国際規格が同社の品質改善の方針にそぐわなくなったとの理由からだ。「ISOは決まったものを確実に処理しなさい、ということ。品質向上につながる高い方向へ変えていくことが、サービス業には求められている。ISOは素晴らしく知的なシステムだが、人的労働を提供するサービスのマニュアル化に疑問を持った」と八田会長は持論を展開。同社のポリシーである朝令暮改にふさわしいエピソードだ。
     今年1月、八田会長は事業に費やした半世紀以上を振り返り、次のような詩歌を詠んだ。
        六十余州
         先人伴に
          駆け抜けし
        秋冬重ねる
         商業の道        廣實
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    【会社概要】
    大正15年創業。昭和28年6月、一般区域貨物自動車運送事業免許取得。資本金5000万円。売上高40億円。従業員250人。

     
     
     
     
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