加地貿易（東京都台東区）は、主にフォークリフトで使われるバッテリーのトータルメンテナンスを手がけている。
　「（メンテナンスにかかる）作業時間の短縮と、メンテナンス費削減の両方を提案している」（川崎博取締役）という同社は、環境とコスト削減の意識が高まる現在、引き合いも増加しているという。川崎取締役に話を聞いた。

　同社が提供するのは、アメリカで誕生した「パルステクノロジー」という技術を使い、バッテリーを劣化させる要因となる「サルフェーション」を除去する電子機器。すべてのメーカーのフォークリフトに対応しており、機種によって「パワーパルス」「エコパルス」など、種類をそろえている。
　同機器を使うことで、バッテリーの寿命を延長させることができる。これにより「予備バッテリーの台数を減らせるうえ、交換にかかる作業負担やコストの削減を実現する」（同取締役）という。　また、サルフェーションが発生するとバッテリーの機能が低下してリフトの稼働時間が短くなるが、同製品を使用することで、この症状を解決できる。同取締役は、「5年で廃棄していたバッテリーを、10年間使うことができたという実績もある」という。
　質や性能が評価され、フォークリフトのディーラーが同製品を顧客に提案するケースも増えてきているという。環境意識の高まりやコスト競争の激化が進む中、備品類を「長く、大切に使う」というユーザー側の声に応える動きと言えよう。
　また、フォークリフトのメンテナンスの中でも負担の大きい「補水」の作業を軽減するのが、高速一括補水装置「フローライト」だ。

　同製品は、ゴム配管によりバッテリーのセルをつなぎ、専用ポンプで補水を行う。バルブ高圧力ポンプにより、48V用24セルのバッテリーの補水をわずか20―30秒で終えることができるという。バルブ機構の止水システム（特許取得済み）により、オーバーフローやばらつきを防止。正常な補水作業を簡単に、迅速に行うことが可能だ。
　「たとえば48V24セルの場合、手作業だと20分程度かかる。これが20秒に短縮されれば、作業にかかる人件費も大幅にカットできる」（同取締役）。
　これらの製品群を組み合わせ、「メンテナンスコストをトータルで下げる提案を行う」。もちろん、廃棄バッテリーが減れば環境貢献にもつながる。「長年『ユーザーに信頼される製品を』という気持ちでやってきた」という同社だが、この3―4年は特に、環境意識の高まりによる追い風もあるという。

川崎取締役
　ＨＰは、http://www.kachi.co.jp/