屋内・屋外で使える「オールインワンPDA」が誕生――。
　モトローラの最新型PDA「MC75」は、従来モデルが持つ無線LAN、Bluetooth接続の機能はそのままに、アウトドアで使うことを念頭に、3G携帯電話の機能も搭載。倉庫内だけでなく、輸送時への活用も広まりそうだ。

　同製品は2年前に発売され、ベストセラーとなっている「MC70」の拡張版。主な機能として、バーコード読み取りや約200万画素デジタルカメラ、携帯電話、GPSが搭載されている。同製品紹介レジュメの1ページには、同製品を囲む形でバーコードスキャナ、ネットワーク対応の堅牢型PC、携帯電話、デジタルカメラ、カーナビの写真が配置されているが、まさにこれらの機器の機能を1台に集約した「マルチパーパス」な製品と言える。
　また、3.5インチのVGAディスプレイを採用し、「PCに近い解像度」（エンタープライズモビリティビジネス営業技術部の九保亮システムズ・エンジニア）を実現している。
　なお、防塵・防滴や、1.5mの高さからコンクリートに落としても耐えられるほどの堅牢性などは、「MC70」から受け継いでいる。
　屋外で使えることでのメリットについて、「従来、バラバラに持ち運ばなくてはならなかったデバイス類を集約することで、仕事の効率化が図れる」と説明。携帯電話網を使ったデータ通信が可能なため、出先からの報告や在庫情報などの確認もできる。「物流では車両管理、資産管理、配送管理などの用途が考えられる」（同）。
　また有効な活用法について、宮崎康樹ディレクターは「機能と、それに付随する情報をいかに組み合わせるか。GPSで得られた位置情報、事故現場を撮影したカメラ画像などを統合して管理することで、迅速な報告ができるとともに、他部門との連携が必要となるような処理もスムーズに進む」と話す。
　Windows Mobile6.0を搭載しており、配車システムなど、他のシステムとの連携も容易な設計になっている。同製品は、来春の発売予定。
　同社のモバイル製品は「MSP3」という管理ソフトウェアを使うことで、使用開始時のセットアップや更新の作業を一元化でき、現場作業の省力化を支援する。「現場の人が現場の作業に集中できることを重視して、製品やサービスを開発している」と同氏。

宮崎氏（左）と九保氏
　同社ＨＰは、http://www.motorola.com/jp