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    トッパン・フォームズ 高機能保冷剤「メカクール」で温度管理

    2011年8月31日

     
     
     

     トッパン・フォームズでは、ドライアイスに代わる高機能保冷剤「MechaCool(メカクール)」を開発。JAL国際線の機内サービス用ドリンクの保冷で活用されており、物流業界でも厳しい温度管理が求められる医療関連の保冷輸送や質を落とせない食品輸送で採用されている。
     同社市場開発部の石田勝課長は、「従来の保冷剤よりはるかに少ない量で効果を発揮する」とし、「昇華してしまうドライアイスと異なり、凍らせれば何度でもリユースできるため、環境やコスト面でも高い評価を得ている」と説明。「凍傷や酸欠などの危険性が少なく、扱いやすいことも重宝されている理由のひとつ」と付け加える。
     「メカクール」という名称には、「まるでメカのごとく正確に温度をコントロールする」との想いが込められているという。


    0831ts.jpg 同保冷剤は、摂氏プラス3度からマイナス30度まで、約5度刻みで計8種類の保冷帯域を選択できる。「保冷だけでなく、逆に凍らせないように温度を維持させることもできる」とも。
    0831isi.jpg 一般的に、保冷剤を冷凍庫で凍結させるには約10度の温度差が必要と言われており、マイナス20度タイプであれば、同30度の冷凍能力が求められる。同社では、市場ニーズが強いマイナス18度タイプに注力し、4ー5度の温度差で凍結させることに成功。マイナス25度程度の既存の冷凍倉庫でも凍結させることができるという。
     市販のクーラーボックスの利用でも約30時間の保冷効果が期待できるが、同社ではより長時間の使用を可能にするため、独自に保冷容器も開発。100時間以上の設定温度の持続を実現している。保冷容器は、用途に応じてキャリー型から折りコン用まで、さまざまなサイズや形状に特注対応している。
     同課長は、「メカクールと高断熱保冷箱をセットで活用すれば、厳密な温度管理が可能になり、冷凍食品を冷蔵車で配送することもできる」と説明。「ドライ、チルド、フローズンと1日3便走らせている場合、燃費の悪いフローズン車を減らせる」と提案する。「ドア開閉による急激な庫内温度の上昇も防げるため、配送時の品温が格段に安定する」とも。
    0831box.jpg
     また、同社とNECは7月から、「メカクール」を活用したSaaS型温度管理トレーサビリティサービスの提供を開始した。これは保冷箱に温度センサー付きRFIDをセットし、輸送中の温度管理の可視化を実現するというもの。出荷から納品までの低温維持と一貫した温度履歴情報の提供を可能にした。
     価格は、24リットルの保冷箱とメカクール1kgx3枚が1セットで10セット45万円。
     「FeliCa(フェリカ)」通信方式のセンサーを採用しており、NTTドコモの「おサイフケータイ」に対応した携帯電話で異常の有無をチェックできる。「データ読み取りの専用装置が不要となり、配送先でドライバーが簡単に問題の有無を携帯電話で確認できるiアプリも開発した」という。データロガーは、藤田電機製作所の「WATCHLOGGER(ウォッチロガー)」を活用している。
     石田課長は、「輸送中の厳しい品質管理が求められる今、荷主に対して正確なデータを報告できることは大きなポイントになるはず。是非活用してほしい」と語る。
    ◎関連リンク→ メカクール

     
     
     
     
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