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製品・IT
日本初 大型中古トラック対象の物流支援ファンド
2016年3月18日
リアライズカンパニー(今福洋介社長、東京都港区)はこのほど、北海道をベースに事業展開するクロブ(小林慎也社長、同)とともに、中古の大型トラックやトレーラを投資対象とした「クロブトラック物流支援ファンド」(合同会社リアライズインベストメントファースト)を組成し、運用を開始。ファンド総額は30億円規模を予定しているという。取得した車両を運送事業者にリースし、事業者から徴収するリース料を源泉として投資家に配当を行う日本初のファンドとなる。
今福社長は金融機関出身で、長年にわたり経営コンサルを手がけてきた。一方、小林社長は平成17年からトレーラをメーンに車両売買を展開。繁閑の差が激しい道内物流でのリースのニーズの高さに着目し、7年前からは、野菜の収穫期となる夏季に短期で冷蔵トレーラを貸し出している。小林社長は、「昔に比べて荷主や仕事内容がすぐに変わる昨今、仕事に合わせた車両をお貸しすることが物流業界のためになると感じた」と振り返る。
クロブが展開していたリース事業に、リアライズの持つ金融ノウハウを融合して誕生したのが、今回発表されたファンド事業だ。今福社長は、「これまでにない新しいサービス」と自信を見せる。
「レンタカーではなく、事業用の緑ナンバーを提供できる」のが特徴。契約は1年単位の更新型で、車検費用も同社が負担する。「銀行借り入れや一般的なリースに次ぐ、新たな形での車両調達方法」と同社長。「金融機関やリース会社に対しては我々が保証を行う」ことで、「ユーザーにもメリットは大きい」と話す。
資産としてのトラックの管理をはじめ、オペレーション全体はクロブが担当する。今福社長は、「不動産だけでなく、飛行機や船にもファンドがあるが、規模が大きすぎてデメリットも多い」とした上で、「トラックは小口化されているので、随時、投資できる」と説明する。「与信の関係で、銀行やリース会社に頼っていてはできない増車を、ファンドというスキームを利用して行うイメージ」。運送事業者が自らファンドを組成するのは「現実的ではない」ため、「共用の仕組みを作った」と同社長。「リース会社よりも良い条件で提案できる」と胸を張る。
トラック1台から利用可能で、中古車と新車を選択し、「予算や契約期間と照らし合わせた上で、適正な車両を提供する」(小林社長)。対象エリアは全国。基本は1年契約だが、新車は2年以上となる。3年以上の契約は、「法改正も相次ぎ、物流のスタンダードがどうなっていくのか未知数」のため、あまり推奨していないという。ファンド化で、今後はさまざまな車両を取りそろえていく考えだ。「ニーズに合わせて新車の発注も行う」。
「トラックのマーケットはまだまだ広い」と今福社長。「銀行、リースと並ぶ資金調達のスタンダードとなれるように」と展望し、「新しい投資家にもアプローチしている」と話す。「金融緩和の影響で市場では資金がだぶついている。トラックへの投資は株や不動産よりも安定感があるはず。リスク分散の意味も含め、新たな投資商品として提案していきたい」。
◎関連リンク⇨ 株式会社リアライズカンパニー -
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