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製品・IT
トーヨーエナジー 高品位尿素水を販売
2016年6月29日
トーヨーエナジー(下岳幹昌社長、大阪市中央区)は、約1年前からディーゼル車排ガス(NOx)の還元剤として使用される、「高品位尿素水」を販売している。親会社である大手商社の阪和興業グループの強みを生かし、今後は各都道府県に1か所ずつ製造拠点を設けていく考えだ。
尿素水の事業について、同社執行役員で広域事業部部長の服部匡史氏(写真右から2人目)、同事業部の天沼修一次長(同左から2人目)、阪和興業の燃料第二部潤滑油課の近藤正基課長(同右)と、同課の清水通浩氏(同左)に話を聞いた。
トーヨーエナジーは石油製品全般の国内販売を主体に、エネルギーに関連する幅広い事業を展開。阪和興業グループとして、バイオマス発電による再生可能エネルギー開発を積極的に推進しており、昨年9月には阪和興業とともに、新電力の老舗であるイーレックと設立した合弁会社であるイーレックス・スパーク・エリアマーケティングを通じて、今年4月から一般家庭用の電力販売を行っている。阪和興業の提供するバイオマス燃料(PKS)による発電で、地球温暖化防止に貢献できる環境に配慮した電源確保を実現している。
同社はこれまでも尿素水を販売していたが、今後、トラックをはじめとしたディーゼル車だけでなく工場での使用など、尿素水の需要が伸びることを見越して、約1年前から原料を仕入れ精製したものを販売している。
服部部長は「高品位尿素水はJIS規格に基づいて精製している。原料となる尿素は阪和興業が仕入れ、トーヨーエナジーが販売するため、無駄なコストがかからない。原料は厳選しているので高品質・低価格を実現した」と説明する。コンテナ容器は同社が無料で顧客に貸し出し、ポンピング配送を行う仕組み。同社の主力商品である軽油とセットで販売するなど、ユーザーに新たなサービスとして提供する考えだ。
今後、中部などに生産拠点が完成する予定で、近藤課長は「尿素水の地産地消を目指し、メーカーと協力しながら生産拠点を増やし、全国規模で尿素水事業を展開していきたい」と戦略を明かす。また、「当社ではアドブルーも販売しており、顧客に選んでいただく形式をとっている。物流企業経営応援セミナーなどで物流事業者の方とのネットワークを構築しながら、高品位尿素水の安定供給を目指していく」(清水氏)。
今後の展開について天沼次長は、「東北、北陸、北海道でパートナー企業を探している。日本でも数少ない総務省指定の『軽油元売り会社』という強みを生かし、大規模自社油槽所などのツールの最大活用を図ることで、軽油以外のサービスも充実させていく。これからも顧客の期待に応え、お役に立てる『フットワークのよい商社』を目指す」と話す。
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