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東京スター銀行 商用車担保ローンなど新たな資金調達法を提案
2016年6月29日
東京スター銀行(東京都港区)は中小企業向けに、所有する事業用トラックを担保にできる「商用車担保ローン」を提供している。中小企業ABLを担当する山﨑正博氏に話を聞いた。
スタートから4年が経過する同ローンの取り扱い件数は、バスなども含めた商用車全体で150件を突破。中心は貨物車で、「関東と関西の案件が多いが、九州や北海道からも問い合わせが来ている」という。
平ボディーやアルミバンはもちろん、タンクローリー、ダンプ、冷凍・冷蔵、ミキサー、キャリアカーなども対象。同氏は、「車両を担保に資金を貸し出す仕組み。人件費や税金の支払いだけでなく、自損・物損事故の修理費用に充て、保険料が上がらないように活用されるケースもある」と説明する。
融資額は100万円から2億円まで。「1〜2台を担保に融資を受けている事業者もいれば、約30台で数千万円を借り入れているケースも」。所有権の移転登録が必要となるため、リースアップした車両が対象。「10万キロ、20万キロ走っていても走行距離は問わない」。ドライバー不足でいわゆる「寝ている車両」でも、ナンバーが付いていれば担保対象となる。
「エリアによって大きく価値が変わる不動産と異なり、トラックは、同じ年式の車両であれば日本全国、どこでも価値はそうは変わらない。どなたにも使いやすい仕組み」。なお、これまでは融資を受けるには同行に来店する必要があったが、今年2月からは郵送での契約も可能になった。
実車の査定はなく、申し込み時に必要なのは車検証をファクスするのみ。最長でも3営業日で査定額が提示され、次のステップに進む場合は、いくつかの資料提出が求められる。同氏は、「評価は無料なので、気軽に相談いただきたい」と話す。
また、「トラックの台数はあるが、リース中のものが多い」「車両の査定額以上の資金を必要としている」などの事業者に提案しているのが、「売掛債権担保ローン」だ。運送業の売掛金、つまり「運賃」を担保としたローンだが、「荷主への通知を不要とする方法もあるため、気軽に利用いただける」と同氏は説明する。また、大口の売掛債権だけでなく、「中小の荷主であっても、分散していること、つまり取引先の『数』を評価するのもポイント」。第三者保証や不動産などの物的担保も不要。
これらの商品を通じ、「他にはないさまざまな融資方法を提案し、トラック運送業界の資金需要に臨機応変に対応していく」と語る同氏。「メーンバンクから思ったような融資を受けられない場合、動産や債権を担保にするのも一つの手。面倒と思われるかも知れないが、新たな資金調達先が増えるメリットは大きいはず」と訴える。
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