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製品・IT
東洋マーク製作所とテレニシ アルコール検知器とIT点呼キーパーを接続
2016年8月23日
東洋マーク製作所(大阪府八尾市)はこのほど、テレニシ(大阪市中央区)ITソリューション統括本部クラウドシステム事業部の、旅客/貨物自動車運送事業者向け総合クラウド点呼システム「IT点呼キーパー」と、アルコール検知器3機種を接続させると発表した。今回のタイアップで「両社の強みを生かし、シナジー効果を見据えた連携を目指したい」という両社の担当者に、経緯などについて話を聞いた。
接続が可能になるアルコール検知器は、モバイル型検知器「AC─015/015BT」および据置型検知器「AC─011」。これらアルコール検知器は電気化学式を採用し、精度の高いアルコール検知能力を有するほか、「AC─015BT」はBluetoothを搭載し、スマートフォンとの接続に煩雑なケーブルは不要となり、特に遠隔地での測定に最適。
テレニシの「IT点呼キーパー」は、IT点呼には3機種全て対応し、スマホ点呼に関してはBluetooth搭載機種のみ対応する。Bluetooth接続の恩恵として今後は、スマートフォンの対応機種が大幅に増加する見込みだ。
東洋マーク製作所は平成14年からアルコール検知器の開発・販売を開始。バス・タクシー・トラック運送会社を中心に全国で約30万台以上の販売実績がある。山本篤社長(下写真右)は、「アルコール検知器は、使用している事業者が扱い方に困っている方も多いため、使用回数を表示するなどし、メンテナンスや修理時の時間ロスを最小限に抑えるようにしている」と話す。全国に販売代理店網を展開しており、製品のラインナップは個人用から本格的業務用まで、現在5機種を展開している。
これまで同社は、IT点呼のみ顧客に提案できないでいた。山本社長は「自社で独自にソフトを開発していたが、動画の部分がネックになっていた。そんな中、テレニシのシステムを知り連携する運びとなった」と経緯を説明する。
これまでIT点呼の専用システムとの接続はしていなかったことから、テレニシとのタイアップが初となる。山内昌人取締役営業部長(下写真左)は、「独自の管理ソフトは開発していたが、IT部分は弱く、今回の連携でお互いを補い合える関係になれると考えている。お客様の声を反映させ、さらに製品を進化させていきたい」と話す。
一方、テレニシのIT点呼キーパーは、「IT点呼」だけでなく、「対面」「電話」「スマホ」と、運送事業者で実施するすべての点呼を実施できるのが特長。また、点呼記録簿は一元的に管理されるため、一切の手書きは不要になり、全点呼の完全デジタル化が実現する。今年3月には「IT点呼キーパー旅客版」が提供開始されるなど、注目を集めている。
価格は、 運輸安全管理業務を強力にサポートできる機能を備えながら、専用設備を必要としないため、初期費用10万円、月額1拠点1万円からと導入しやすい価格設定。同社の執行役員であるITソリューション統括本部の廣畑嘉博統括本部長(上写真左)は、「同製品は平成28年度国交省過労運転防止の助成対象にもなっており、予算に限りはあるが、さらに導入しやすい状況となっている」と話す。
タイアップをきっかけに両社は、大阪での合同勉強会も予定している。「IT点呼の要件緩和についてパブリックコメントが実施された中で、良いタイミングでのタイアップが実現した。点呼をフルラインナップで顧客に提案し、販路を拡大していきたい」(山内部長)。今後、両社のシナジー効果によって、誰もが点呼を行いやすい環境に整備されることが期待される。
◎関連リンク→ 株式会社東洋マーク製作所
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