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製品・IT
キタコ 新型ハンドルロック開発、盗難防止に
2016年10月14日
ピーク時に比べると減少しているものの、依然として高い水準で推移しているのが車両の盗難被害だ。警察庁の統計資料によると、昨年1年間の自動車盗難の認知件数は1万3821件で、そのうち1万298件が「キーなし」の状況で盗まれたものだった。キタコ(大阪府東大阪市)では、トラック用の盗難防止商品を取り扱っているが、「最強のハンドルロック」と評判を呼び、盗難被害に悩む運送業界から注目を集めている。
オートバイパーツの製造・販売をメーンに手掛ける同社では、以前からオートバイの盗難予防ロック(キタコロック)を開発しており、業界内で「最強のロック」と呼ばれるほど高い支持を集めていた。その高い品質は様々なテレビなどマスコミで取り上げられるほどで、評判を聞きつけた茨城県警の生活安全総務課が2年前、同社に対し、トラック用の盗難防止ロックの開発協力を要望してきた。
同県下では2トン、4トン、大型トラックや工事用重機、トラクタなどが年間約2000台もの盗難被害に遭っており、その対策として同社に協力を求めてきたという。そうして同県警監修のもと、完成したのがトラック・商用車に特化したハンドルロックで、すでに実際に起きた犯行現場で効果を発揮している。同県結城市の運送事業者では窃盗団が車庫に侵入し、ピッキングにより数分でトラックの車内に入り、エンジンを掛けられたものの、同社のハンドルロックを外すことができず、20分の格闘の末、盗難をあきらめて犯人らは逃亡したという。
同社特販部の森田浩康氏によると、「今まで市場に流通しているハンドルロックは主にパイプ製なので、バールを使うとひん曲がって解除されてしまう」と指摘。同社のハンドルロックは頑丈な素材はもちろん、2本のシャフトを切断しないとハンドルが回せない構造で、抑止力が大幅に向上する。
また同社はこのほど、トラック用に続いて新型のハンドルロックを開発。ハンドルを挟むシャフトを可変式にしたことで、乗用車やミニバンから大型トラックまで幅広い車種に適応する。価格は4万5000円(税別)。
「どうしても実際に被害に遭わないとセキュリティーの必要性を感じない方が少なくない」と森田氏。「実は狙われているかも知れないし、被害に遭ってからでは遅い。意識改革をして、きちんとした製品をきちんと装着して欲しい」と訴え、「盗難被害で嫌な思いをされる人をなくすため、これからも啓蒙活動を続けていく」と話す。
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