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製品・IT
平成自動車 収納式可動バンパー、顧客の「困った」から開発
2017年1月27日
道路運送車両の保安基準をクリアし、装置型式指定認可を受けて高品質で車検にも対応し、新車・中古車のどちらにも取り付け可能な「収納式可動バンパー」の販売を手掛けている平成自動車(堀内秀一社長、大阪市此花区)。稼働後のロックには固定ボルトを使用せず、左右に取り付けたレバーで解除できるほか、収納作業を軽減するために補助スプリングが付けられており、片手で簡単に動かせる。収納時のロックも自動という高品質の製品だ。
同製品の製作に着手したのは約15年前。顧客から「工事作業時の効率を図るため外して作業を行い、そのまま走行することで違法改造とされてしまう。リアバンパーを外した後方部分に乗用車が追突し、死亡する事故が発生している問題などを少しでも解決できるバンパーを作ってほしい」という要望があった。そこで同社は車検をパスし、仕事にも支障の出ないバンパー開発を開始した。
製作を始めた当初、車両の整備以外の仕事をしていなかったため、バンパーに関しての細かい知識もなく、製作に苦労したと振り返る同社長。法律に対応したバンパーの強度の問題や試作品の強度確認をする器具などもなく、様々な団体や会社に問い合わせ、自ら勉強して製品を完成させた。
初期の製品は現在の製品のようにワンタッチ式ではなく、使い勝手が悪かった。改良を重ねて現在のワンタッチ式を開発。現在では、累計販売台数約5300台。販売加盟店も全国に183社(12月現在)になっている。また、4トン、8トン車対応の可動式バンパーを製造・販売しているのは同社だけだ。
現状に満足せず、新たにバンパーの改良を行い、めまぐるしく変わる法律に対応できるバンパーを提供し続けているだけでなく、全自動の可動式バンパーの開発も行っている。堀内社長は「困った問題があるときには商売になるヒントがある。何事もあきらめずに挑戦し続けることで成功すると、この製品から学んだ」と話し、「色々なことを経験して悔しい思いもしたが、あきらめないで作った製品が会社の財産になっている」と語る。
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