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製品・IT
ユーエイキャスター 顧客の声生かした製品
2017年7月26日
約6000種類のキャスターを扱うユーエイキャスター(雄島耕太社長、大阪府東大阪市)は今年、創立40周年を迎えた。オーダーメイド品が約7割と多数を占める同社はこれまで、顧客の声にこだわった製品づくりを進め、技術を磨いてきた。社長就任から今年で10年を迎える雄島社長に、これまでの歩みや製品の特長を聞いた。
同社は国内では奈良と福岡に、海外では中国の上海と蘇州に生産拠点を持つ。海外拠点はあるものの、完成品の95%以上は国内で製造というこだわりがある。「創業当初から、自社で製品を売る力をつけるため独自でルートを開拓してきた。オーダーメイドも直接、製品を使う企業へアプローチするために必要だったといえる。要望に応えてくれるというのは顧客にとっては心強い」と説明する。
オーダーメイド製品は顧客の声が命となる。そのため、営業マンが拾ってくる顧客の悩みを技術部門に伝えることで、よりよい製品づくりにつながっている。確かな品質と対応力をもって、豊富な製品ラインナップからニーズに合わせたキャスターを国内外に届けている同社は、2014年には第48回グッドカンパニー大賞の「優秀企業賞」を受賞し、翌年には経済産業省から「頑張る中小企業・小規模事業者300社」に選定されている。
「キャスターメーカーとして、解決できることはできるだけ応えたい。弊社のキャスター使用で事故が減ったという声は最高の褒め言葉」とし、「台車や椅子など、本来の役目を果たすモノの足元に取り付けられるキャスターは、主役になることはほとんどない。しかし、キャスターには衝撃の吸収や静音など特別な機能が求められることが多く、実際はなくてはならない縁の下の力持ちとして、あらゆる産業界から必要とされている」と雄島社長は話す。
社長の考える理念がどれだけ浸透しているかを知るため、雄島社長は頻繁に各拠点に足を運び、年末の餅つき大会や合宿など交流の機会を多く設けている。また、若い力を育てるための「投資」として、大卒者の新卒採用を毎年実施。会社の平均年齢は35歳と驚異的な数字を誇る。「ものづくりをしたいという若者が少なくなってきている中で、一度でも作りあげる喜びを実感すれば、縁の下の力持ちの楽しさを分かってもらえる。新たな環境やミッションへのチャレンジを恐れない人材を求めている」という。
今年2月に創立40周年記念式典を実施し、今後は関東方面での生産拠点を確保していくほか、次の節目となる創業50周年までの売り上げ目標も設定している。「キャスターづくりで必要なゴム加工などのノウハウを生かせる分野であれば、キャスター以外の分野にも進出していきたい」と意欲を見せる。
雄島社長は日本国内と海外を比較し、「国内のキャスター市場は300億円規模だが、海外では1社で200億円を売り上げるキャスターメーカーもある。『メイドインジャパン』が海外で広く高品質の証しとして認められている中で、もっと日本の品質を海外へ発信していくべき。キャスターは非常にニッチな製品だが、新興国の産業の発展が進めば、まだまだ市場は広がると考えている」と、未来を見据えている。
「災い転じて福となす」の言葉を胸に仕事に励む雄島社長。「2月に50歳になり、社長就任から10年目を迎えた。確立された技術の中でも常にエポックメイキングな製品を生み出せるよう、常にチャレンジ精神を持って邁進したい」と力強く話す。
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