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    【タイヤ特集】(1)省燃費タイヤユーザー・十條運輸の取り組み

    2008年4月15日

     
     
     

     省エネ活動を通じてコスト削減や環境対策に取り組む動きが運送業界で活発化している。デジタコや輸配送システムなどの普及が進んでいるが、車の足もとやタイヤからも省エネ化が進んでいる。
     いわゆる『省燃費タイヤ』は、材料の配合や溝の形状、構造を工夫することで摩擦や偏摩耗を発生しづらくし、燃費に影響する転がり抵抗を抑制するというもの。抵抗値が少ないタイヤほど、省燃費効果が期待できるという。


     同タイヤが市場に出始めたのは約5年前。発売以来、年々販売増を続けているが、原油価格の高騰に加え、改正省エネ法の施行を受け、最近では大型トラックに標準装備されるなど、その必要性はいっそう高まっている。
    ■十條運輸の取り組み
     東京都北区に本社を置く十條運輸(大澤健社長)は積極的な省エネ活動が奏功し、大幅なコスト改善を実現している。同社は日本製紙の関連企業で、メーンは印刷用ロール紙など紙製品の輸送。保有車両台数は15t車が14台、8t車が4台の計18台。配送エリアは関東近郊で、1日に20km強を走行している。
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     本格的に省エネ活動を開始したのは00年。当時所有していた全20台にデジタコを導入した。同時に、ドライバーにエコドライブを習慣化させ、「急加減速しないこと」「経済的かつ安全なスピードで走行する」よう徹底した。「効果はすぐに表れた」(新田政市営業課長)という。
     00年の燃費平均は15t車でリッターあたり2.52kmだったが、翌年は2.79kmに(10.71%増)、8t車は3.98kmが4.08kmに向上(4.88%増)。「1L60円台の当時、(全車で)1か月で16万円のコスト削減に成功した」という。
     「徐々にエコドライブの考え方が浸透し、燃費改善効果が落ち着いてきた」。その頃、市場に省燃費タイヤが登場。同社でも試験的に数本を導入した。初年度の燃費平均は15t車で2.92kmだったのが、使用1年で3.10km(5.80%増)に、8t車では4.63kmが5.16km(1.57%増)に向上した。
     同タイヤの特性として、燃費性能が最も発揮されるのは発進・停止が少ない高速道路走行時。市街地走行では期待数値は出づらいとされているが、「十分な省燃費効果を得ている」と同課長。「汎用品に比べると、摩耗が早く、イニシャルコストが高額だが、それを差し引いても省燃費タイヤの効果は大きい」「安全性も問題ない」と太鼓判を押す。今では全車に省燃費タイヤを採用しているという。
     同社はタイヤライフを使い切るまでに通常で2回ローテーションを行う。そうすることで「偏摩耗の発生を抑えられ、ロングライフ化する」という。
     00年から開始された同社の省エネ活動では、デジタコを活用したエコドライブ効果は約8%、加えて導入した省燃費タイヤで、さらに約8%ものコストカットを実現。「今後も省燃費タイヤの採用を続けていく予定」という。
     さらに、昨年から新たに「グリーン・エコプロジェクト」にも挑戦、「一層の省エネ活動に取り組みたい」と意気込んでいる。
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    新田営業課長
    【タイヤ特集】(2)省燃費タイヤのキーワード「転がり抵抗」
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