ＳＡＳ（睡眠時無呼吸症候群）の早期発見を目的に、ＮＰＯ法人睡眠健康研究所（東京都世田谷区）と提携し、「ＳＡＳスクリーニング検査サービスパッケージ」を提供しているインテグリティ・ヘルスケア（同中央区）。同社では新たに、精密検査料金を最大１万５０００円まで割引する新サービスを開始した。

　１人あたり４９８０円（税別）の同パッケージは、自宅で機器を装着して行うスクリーニング検査に加え、医療相談と精密検査の１万５０００円割引を組み合わせたもの。さらに助成金の対象にもなっている。

　ＳＡＳ事業部グループ長の筒井寛和氏は、「検査結果に『精密検査が必要』と書かれていても、どうすればいいのか分からなかったり、ＳＡＳに関する理解が十分でないために、きちんと検査をしないままにしているドライバーも多かった」と経緯を語る。

　「精密検査は１泊の入院が必要となるため、料金がネックになることもしばしばだった」とし、「当社の目的はＳＡＳの疑いがある人に病院で適切な治療を受けていただくこと。そのために、新たに割引サービスを設定した。割引分は当社が負担する」。

　「ＳＡＳは非常に大きな経営リスクになりうる」と語るのは、同部の大吉さくら氏。「特に運輸業では、事故の原因がＳＡＳか否かに関わらず、事故を起こすと責任を問われることになるため、原因から除去することが大事」とし、スクリーニング検査と治療の重要性を強調する。

　また、昨年６月に取りまとめられた「自動車運送事業のホワイト経営の『見える化』検討会」では、認証項目に「睡眠障害等に関するスクリーニング検査などを全営業所で実施している」という項目が盛り込まれた。同氏は、「スクリーニング検査は第一歩。本質の改善には、その先の治療が必須」と説明する。

　「割引サービスの適用は、２０２０年度は１万人が対象」と話す大吉氏。「サービス開始前から問い合わせも多くいただいている」という。筒井グループ長は、「ユーザーからは、『これを機に全額会社負担も検討したい』という声も寄せられた。健全な経営だけでなく、従業員の健康も含めてホワイト経営のサポートができたら」と呼び掛けた。なお、同社ではサービスサイトも開設している。

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