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    韓国物流視察レポート(6)【最終回】貨物を集めて大きな経済効果

    2008年10月23日

     
     
     

     これまで5回にわたり、仁川国際空港、仁川港、浦項港、釜山新港、釜山港といった韓国の主要な物流拠点の紹介を行ってきた。これらを視察して感じることは戦略的、重点的な物流インフラ開発の重要性だ。
     例えば、仁川国際空港は01年の開港だが、国際航空貨物の取り扱いでは既に世界第2位。短期間で世界トップレベルの物流ハブ拠点となり、貨物量も増加の一途をたどっている。また、釜山は既に世界第五位の国際物流港湾だが、より効率と機能の高い物流拠点となるため、莫大な投資を行い新港開発と都市再開発を行っている。


     これら空港や港湾の背後には、広大な物流団地を造成し、「1坪あたり年間数千円」という非常に安価な賃貸料で土地を提供するほか、免税措置や税制の優遇など多様なインセンティブを整えることで、世界各国から優良な物流企業を呼び込んでいる。ここに建てられるセンターは付加価値の高いサービスを行い、サプライチェーンの効率化や企業の物流費削減に寄与する。
     視察に参加したメンバーからは「港湾に対する国の考え方の違いが大きい。日本ではほとんど地方自治体が港湾を管理し、背後用地も自治体が負担する。収益を上げなければならないので、タダみたいな価格で土地を賃貸することは出来ない。結果的に競争力が弱くなってしまった」との感想がもれた。
     韓国側からも同様に「以前の日本は港湾の競争力があったが、地方が港をどんどん造成したため、国際競争力が弱まった。今は競合相手とは見ていない。ただ韓国でも最近、地方が港の整備を進めたがっており、国家全体の利益に反する動きが出てきた」との話が出た。
     また、日本の参加者から背後用地について「莫大なコストをかけて作ったものの、格安の使用料を設けて引き合うのか」との質問が出たが、韓国側からは「物流の中心基地としての投資と位置づけている。物流ハブ拠点を整備することで、雇用や税収など広い意味での経済波及効果が発生するものと考えている」との回答。貨物を集め、通過させることで人、情報、金も集まり、流れることになる。それを重視している。
     民間からの投資を呼び込むことへの評価も高かった。「5年前に山の上から釜山新港を見ても何もなく、どのようになるのかイメージが湧かなかった。今はどんどん倉庫が建っており、行政主導から離れ、民間の活力が全面に出ている」と参加メンバー。
     近年、「韓国を経由させた方が物流コスト低減につながる」「日本は国際物流の拠点として韓国に負けている」との声が大きい。実際、仁川や釜山を視察したメンバーは「物流ハブとして、日本が今から巻き返すのは不可能」との評価が多かった。
     しかし、韓国の物流機能を組み込むことは、新しい物流モデルを立ち上げるチャンスでもある。例えば東京や名古屋、大阪などを経由せず、仁川や釜山から日本の地方へと直接、貨物を持っていく物流モデルの拡大も予想されている。最適な物流を構築するために、韓国をうまく活用するという視点も重要になってくる。(玉島雅基)

     
     
     
     
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