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    足元みた水屋行為が横行…進む「運賃値崩れ」

    2009年3月18日

     
     
     

     数年間にわたって異常な高騰ぶりを見せてきた軽油価格が落ち着きを見せ始めたのが昨秋。それと引き換えに、これまで記憶にないほどの荷動きの鈍化が物流業界にも押し寄せ、すでに体力を失ったトラック事業に引導を渡そうとしている。


     一方、せっかくの軽油値下げのムードも経営改善につながるどころか、少ない荷物を奪い合ううえの「運賃の下げシロ」でしかなくなっている感もある。求車・求荷のネットワークを利用し、苦しいトラック事業者の足元を見た水屋行為も横行しており、ここにきて実勢運賃は著しく乱れているようだ。
     神戸市にある運送会社。「荷物情報を出すと、その2秒後には電話が入ってくる」と、求荷・求車情報が掲載されたパソコンの画面を開いて説明する同社幹部は、「仮に、ここ(神戸市)から関東まで大型車で6万円の荷物情報を入れると、速攻で特定の大手事業者から連絡がある」という。
     それからしばらくして、パソコンの画面に神戸―関東間で大型トラック4万5000円の仕事情報が掲載されると、「あれはウチが出した仕事。6万円でも安いくらいなのに、とにかく仕事がないから4万5000円でも飛び付くことを(中間業者は)わかっている」と同幹部。大型で4万5000円の同区間は、4t車なら3万5000円とさらに安い。「水屋排除を掲げてきた求荷・求車のネットワークだが、徐々に類似行為が広がっているのは間違いない」と憂慮する。
     一方、発荷が少ない九州など西日本方面の運賃も大幅に崩れている様子。自動車関係の輸送依頼が減った西日本地区の運送会社は過日、大手事業者から関東―九州(熊本)間の幹線輸送を持ち掛けられたが、「運賃を聞いてびっくり。アレに手を出せば、それこそ会社が潰れてしまう」と同社社長。25t車を走らせる見返りは往復で20万円ポッキリだったという。
     従来の仕事を切られた運送会社が、宅配など大手事業者の長距離輸送を獲得しようと動く姿も多く見られるが、その一方で、「ただでさえ大手が自社便運行を増やそうとしており、そこへ安売りの看板をひっさげて新顔の運送会社が割り込んで来るから大変なことになっている。すでに10%の運賃カットという話も聞こえている」と話すのは、これまで大手に仕えてきた既存事業者。
     「乱すだけ乱して状況が変われば姿を消す…そんな同業者の愚かな行為が一番情けない」と話している。(長尾和仁記者)

     
     
     
     
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