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    国際海上コンテナの「フル積載」2通りの基準、混乱に拍車も

    2008年3月11日

     
     
     

     長さ20フィート(約6m)の国際海上コンテナの最大限の重量を表す「フル積載」が意味する重量について、2通りあることから今後、混乱が生じる可能性が指摘されている。
     これまで10年間、改造を施して特例的に24tまで積載が認められてきた20フィートシャシーの最大積載量は、4月から約4t分減少する措置が、混乱に拍車をかけるものと見られる。


     20フィートのISO規格のフル積載重量は、国内では2通りの基準がある。国交省自動車交通局技術企画課は本紙取材に対し、一般的なドライコンテナなどに適用される場合は24t、タンクコンテナなどコンテナ容器が重い場合には30.48tが適用されると説明。
     複数の関係者によると、ISO規格コンテナの最大重量は世界的には30.48tが相場だという。「コンテナの形状を問わず、20フィートであっても30tものが国内に入ってきているはず」と実態を話す。
     また、コンテナ輸送事業者によると、特に輸入されたコンテナの場合、国際複合一貫輸送のもとでは港湾にコンテナがある段階で、重量がたとえ24tを超えているのが分かったとしても、コンテナを開けて積み替えるデバンニング作業が行われることは現状ではほとんどない。コンテナの重量は輸送業者に知らされないまま専用シャシーに積載されるため、30.48tまでのコンテナが20フィートシャシーに積載されて国内を走行しているのが実態という。
     全ト協の調べによると、06年度の段階で30.48tまで積載できる20フィートシャシーは全国で58台。1万5705台ある20フィートシャシーの0.4%に過ぎない。
     この問題が放置されてきた背景には、日本政府が98年3月にシャシーの保安基準を緩和したことがある。道路に与える損傷を最低限にするよう、20フィートシャシーのフル積載重量を24tと設定。コンテナ事業者は当時、1台当たり約30万円をかけてシャシーのフレームやホイールを改造補強し、98年以前のコンテナの最大積載量だった20.32tより、およそ4t分重い24tまで積載できるようにした経緯がある。
     24t対応のシャシーに実態上は30.48tまで積載されていても、過積載取り締まりがさほど厳しくなかったのはそのためだという。これからは事態が一変しそうだ。政府は野党議員から出された質問書のなかに、今後は過積載として取り締まる姿勢を明確に打ち出している。

     
     
     
     
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