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    物流ウィークリー独占企画【トップ対談】石原慎太郎都知事×星野良三東ト協会長【第4回】

    2008年4月9日

     
     
     

     東京都の石原慎太郎知事と東京都トラック協会の星野良三会長(多摩運送株式会社)のトップ対談が実現した。
     「世界一青い東京の空の下で」をテーマに、環境問題に対する運送業界の取り組みや都の支援策などについて、それぞれの立場で語ってもらった。(全4回)


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    広がる東京の青空、企業努力「開花」へ
    星野:オリンピックを東京で開催するという計画。トラック業界も随分署名を集めました。知事の推進方策でご協力できることがあれば、いろいろやります。私どもも道路(整備など)の問題などありますので。東京オリンピックはちょうど私が28歳の時でした。出たわけではないが(笑)、あの感動は忘れません。楽しみにしています。ぜひ知事のお力で実現してください。
    石原:これはまあねえ、都民や国民の皆さんが「よし、やろうじゃないか」という気持ちにならないといけない。この間の調査では「やろう」が62%になったが、まだ足りない。
    星野:大分上がってきましたね。
    石原:最初、新聞に水をぶっかけられて。その後、(都知事)選挙のために嫌がらせで30何パーセントとか訳の分からない数字が出ていたが、だんだん上がってきた。こちらも努力しているが、あと10%足りない。やる気があるかないか、随分大きな基準だが…。ただねえ、日本人、とくに東京の人は何でもあるでしょう。珍しいものも何でも東京にある。だから何をやっても「当たり前」で、決まればみんな「ワーッ」となるんだけど、決まるまでは「オラ知らネエ」という人が多いからね。意識を構築していくのがなかなか難しい。
    星野:そうですね。
    石原:今度、国が東京から地方税3000億円むしり取るので、こちらも「ただじゃやらせない」ということで条件を付けた。オリンピックも含めて外環(三環状線)が10年がかりでほとんど完成する。根回ししてあった。こうなればますます確かな約束にさせますし、やはり外環が二つ完成すると皆さん随分違うでしょう。
    星野:道路が整備されることはわれわれにとってありがたいことです。
    石原:外国に行って思うけれど、みんな「年中工事している」「またか」なんて言うけれど、そのお陰で日本の道はかなり良いですよ。ニューヨークなんかマンハッタンでもガタガタ。マラソンで先導車に乗って走ったが、自動車専用道路でさえ穴ぼこだらけです。
    星野:私は70歳になりましたが、自転車で毎朝20kmを1時間かけて通っています。2年間続けている。
    石原:へえ、それは凄いな。雨が降ってもですか?
    星野:もちろんです。
    石原:それは本当に凄いな。トラック業界の皆さんにはディーゼル車規制で、本当にお世話になった。とにかくありがたいと思っていますよ。僕は周りの人たちによく言ってるの。会長もご存知と思うけど「規制やりますよ」と言った時にね、トラック協会の会館に行ったら、貸付の話で相談に来ている会員さんがいて、僕を見て「石原さん、こんなことされたら私たち零細はホントに潰れちゃうよ」って言われて、本当に身にしみて「そうだろうなあ」と思った。でも良くやってくれましたよ、これは。「やっぱり日本人の心意気っていうのはありがたいなあ」と思いましたね。言い出すのは簡単だけどね「協力しましょう」なんて、とても出来るものじゃない。本当に都民に代わって感謝しています。
    星野:今、知事がおっしゃったように、会員から倒産も出ました。結果的に何ともそういう人たちには気の毒でしたけれども、ドライバーが胸を張って東京都内を走れるというのは大変ありがたかったし、うちの会員が(叙勲で)園遊会に招待され、美智子妃殿下から「東京の空がきれいになったそうですね」とのお言葉を頂戴したことを聞き「ああ良かったな」と思いました。
    「第二東名は必要」
    石原:本当にそうですよね。あのね、個人タクシーの運転手の方がね、「今まで頻繁に車を洗っていたけど週1回で済むようになった」など、いろんな情報が入ってきますよ。本当に皆さんのお陰ですよ。行政がいくら旗を振ったって、ついて来る人たちがいなかったら当然、物事できるものじゃない。あの時は本当に「日本人信じられるな」と思ったけれど、その後はダメだね。この頃はもう偽物の饅頭売ったり訳わからんし。昨年の一文字は「偽」だったって言うから、嫌な時代になったなあ。でもあの時、石油業界が低硫黄軽油を作ってくれたでしょ。あれだってうれしかったですよ。
    星野:今後、知事が更に強く求められるものは?
    石原:三木内閣の時代に国鉄が「スト権スト」をやったのを覚えてらっしゃるでしょう。この時以来、日本のロジスティクスの担い手は完全に列車からトラックに移った。だからこそね、やはり第二東名なんか下らんこと言ってないでサッサと造ったらいいんですよ。地方に造んなくていいのをたくさん造ったのは小沢一郎なんだから。アメリカに言われてね、8年間に400兆円の国債まで発行して、結局430兆円使い、金が余って「夜中に鹿だけが通る道路」は地方に出来たけれど。やっぱり幹線道路の東名はもう一本どうしても要ります。これを早くしなきゃと思うんだが、なんかあの、東京の一歩手前で止まっちゃうんですなあ、計画が。バカみたいだなあ、あれは。
    星野:知事のお力でグッと押していただいて。
    石原:私の息子(石原伸晃代議士)もそっちの専門家だから言ってるし、今度、猪瀬直樹君が副知事に来てくれたので、彼も道路の専門家だから言ってますがね。新幹線で貨物は運べないし、あっち降ろし、こっち降ろしで時間かかって仕方ない。もう歴然として物流のメーンはトラックになりましたから。末端までパッと行けますしね。
    星野
    交通事故をなくして都民に愛されるトラック業界に変身しようと、やっていること、そのものは大変価値のあることで、また都民生活を支えているという自負もあります。それでも、やはり先ほどおっしゃったように「怖い」「危険」などのイメージもありますし、事故を半減させることで「トラックは環境にも優しいし、交通事故も起こさない。都民の生活物資をきちんと戸口まで運んでくれる。大変素晴らしい」ということを、ぜひ言っていただきたい。
    石原:はい。(笑)いや、社会工学的にもそれはもう歴然としたことですからね。あとはね、燃料と排ガスの問題は行政がコントロールすればいいのでね。とくにもう「東京の青い空」は皆さんのお陰で実現できたことですからね。ただ、やはり嫌がらせを言うわけではないが、酒飲んで過積みで走っていたダンプの運転手が自家用車にぶつけて殺したでしょ? 子ども2人。あれなんかどうもトラックのイメージを傷付けたんですなあ。
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    星野:東京には5770の事業者がいるのですが、われわれトラック協会に加盟しているのは、このうち4000ちょっとなんです。ですからアウトロー的な方々も多く、その辺はやはり行政と一緒になって協会傘下に入れ、業界全体のレベルアップを図りたいと考えています。安全教育もしていない、社会保険にも加入していない、何もしていない事業者がいる。「社会保険未加入で従業員の老後の生活がどうなるのか」ということも何も考えていない。良い従業員が安心して、わが業界に入ってもらい、同じ枠の中で、同じ土俵で事業を展開してほしい。そうしないといくら自由競争といっても公正な競争ができない。こうした問題も運輸行政と一緒になって取り組み、本当に信頼される業界づくりに邁進していきたいと思います。
    石原:ぜひ頑張ってください。期待しています。(おわり)
    石原慎太郎氏=32年9月30日生まれ。一橋大学卒。54年、同人誌「一橋(いっきょう)文芸」に処女作「灰色の教室」を発表。55年、「太陽の季節」で文学界新人賞を受賞。56年、同作品が第34回芥川賞に選ばれた。68年、参院選に自民党(全国区)から出馬、300万票という最高得票で初当選した。72年、衆議院議員に初当選。以後、連続8回当選。76年に環境庁長官、87年に運輸大臣を歴任。99年、東京都知事に就任し、現在3期目を迎える。
    星野良三氏=37年3月18日生まれ。明治大学卒。74年2月、多摩運送代表取締役社長。06年6月、同会長兼社長に就任。現在、東ト協会長のほか関ト協会長、関東運送事業協同組合理事長、東京高速道路交通安全協議会会長、関東通運業連合会会長、全ト協副会長など数多くの団体で要職を務める。

     
     
     
     
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