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    全ト協引越部会 日雇い派遣禁止問題、厚労省などへ要望へ

    2008年9月29日

     
     
     

     全ト協の引越部会(鈴木一末部会長)は22日、正副部会長・監事・分科委員会合同会議を開催。労働者派遣法改正に伴う「日雇い派遣原則禁止」問題について話し合った。北海道ト協の引越部会が行った実態調査の結果も披露され、「日雇い派遣禁止」による業界ダメージは共通した認識であることを確認。ただ、参加者一人ひとりの意見交換では温度差も見られた。
     鈴木部会長は「すでに全ト協としての案はできている」と説明して、今後、法案の動向を見極めながら検討を加え、厚労省はじめ関係官庁に要望していくという。


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    鈴木一末部会長
     事務局の中川登志雄常務が改正案の経緯と現状を報告。政治の混迷で法案審議は大幅に遅れており、「当初見込んでいた年度内成立は難しくなっている」と説明した。意見交換では「波動性の大きなわれわれの業界に日雇い派遣は不可欠」「(派遣期間に制限のない)26業種に加えてほしい」「新たに設ける『例外規定』の適用対象とするべき」など日雇い派遣禁止に反対する声が相次いだ半面、「日雇いがわれわれ業界にとって将来もあるべき姿なのか」と問いかける意見もあった。
     このほか、「最近の若者は好きな時に、好きな仕事をするという人が増えている」とする考え方や、「派遣事業者の中間搾取が大きすぎるのではないか。自社で集め、教育したほうが良い」など様々な意見が交わされた。
     五十嵐良夫分科委員長は「一概に引越業者だけが『困った困った』では埒があかない。困るのなら対処法を考えるべき」と主張。荒牧昇副部会長は「繁忙期だけは除外してほしい。(引越業で)日雇い派遣を継続する方向の中で国がやるべきことは多いはず。その点を訴えていきたい」と述べた。
     日雇い派遣禁止問題は、東ト協の引越専門部会(荒牧昇部会長)が7月に開いた総会の席上、サンウェイ(東京都荒川区)の井上久子社長が「中小の専業者にとって死活問題なのに東ト協、全ト協は何をしているのか」と糾弾したのがきっかけとなった。
    ■「成り立たない」が75%、影響は深刻…北ト協実態調査
     北海道ト協の引越部会はこのほど、労働者派遣法改正に伴う実態調査を行った。部会員213社に調査票を送付し、79件の回答を得たもので、「人材派遣を受けられなければ引越業務にどんな影響があるか」との質問に、75.6%が「成り立たない」と回答するなど、改正が深刻な影響を及ぼすことが明らかになった。
     回答者には兼業者も多く、「年間の引越件数」は「1〜50件」が最多(38.0%)。次いで「101〜500件」(31.6%)、「1001件以上」(11.4%)の順。このうち「繁忙期(3〜4月)の割合」は「21〜40%」(31.6%)が最も多く、次いで「41〜60%」(30.4%)、「81〜100%」(19.0%)。
     「引越業務で人材派遣から労働者の派遣を受けているか」との質問では、「繁忙期のみ受けている」(29.1%)、「常に受けている」(27.9%)を合わせて、6割近くが人材派遣を利用。半面、「人材派遣は受けていない」(43.0%)も目立った。
     このほか、「引越繁忙期は従来通りの派遣が可能なよう希望する」「アルバイトでも対応可能だが派遣のほうがコスト、時間の節約になる。特に地方は大きい」「引っ越し以外の業務(配送業務助手など)や繁忙期以外でも、派遣業務禁止を対象外とすることを求める」「契約社員を登用する方向で進めているが、コストを考えると厳しい」などの声が寄せられた。(土居忠幸)

     
     
     
     
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