-
射界
2016年3月21日号 射界
2016年3月24日
人は、ちょっとでも他に勝るものがあると周囲に誇示したがる。驕りの姿勢だ。この気持ちが働くと人を見下す傾向に陥りやすい。傲慢な姿勢は周囲から総スカンを食うので注意したい。もちろん、自信を持ちプライドを持つことは必ずしも悪いとは言えないが、それを鼻にかけては反感を買うだけで、協調性にも欠ける。
▲驕りと並んで気をつけたいのが、貪欲な欲望だ。利己的な欲望を満たそうとして不適切な行動に走り、国会議員の職を辞した人もいれば、覚醒剤吸引の欲望から抜け出せず、過去の栄光に見放された元野球選手もいる。人間なら誰しも多少の欲望に苛まされて生きている。しかし、周囲と摩擦を起こしてまで欲望を叶えようとして失敗することもある。欲望にも多少の余裕を持ちたい。▲欲望を持つな…とは、利己的で人を陥れるような欲望は持つな、の意味だ。なんの欲もなく現状に甘んじて過ごすのは、際限なきチャレンジ精神まで封印する恐れがある。進歩や向上への欲望を失った人は、現状維持どころか時流に置き去られて自滅の道を歩むことになろう。確かに、人生は長いようで短い。短い人生、楽しまなきゃ損とする考えもあるが、楽しみにも節度が大切だ。
▲さて企業経営の基本は「儲ける」ことだが、儲かっているといって経営者が傲慢になってはおしまいだ。望外の欲望に駆られて暴走する愚は避けなければならない。恵まれ過ぎたことが仇(あだ)になって、自縄自縛を招くかも知れない。古賢の教えに、「過ぎたるは及ばざるがごとし」とあり、何事もほどほどがよいと教えている。ほどほどの基準を、自らが見極める余裕を持ちたい。
-
-
-
-
「射界」の 月別記事一覧
-
「射界」の新着記事
-
物流メルマガ