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射界
2017年9月11日号 射界
2017年9月6日
人の気持ちを表すのに「温かい」とか「冷たい」と表現する通り、気持ちや心には温度があると承知したい。冷え冷えとした気持ちに接すると、こちらの心まで冷え込み、逆に温かい気持ちに触れると、なぜか自然にこちらの心が温まるから不思議だ。喜ぶ顔に接したいと思えば、こちらから心温かく接することである。
▲一時期、流行語ともなった「おもてなし」の心は、努力して心温かく接することが基本である。それにはまず、自らが温かい気持ちを持つことだ。人の苦しみや痛み、悩み、喜び、感動を素直に受け止めて思いを同じくする。狭い通路で行き交う際に、ちょっと身を寄せて相手に道を譲る。こんな動きが自然に表せるよう心掛けたい。これが基本であり人柄にも反映されるだろう。▲その意味で挨拶は大切だ。お互いの心を伝達し合う入り口だからだ。挨拶することで自らの心のトビラを開き、相手からのお返しを受け止めながら色んな感触を動員して思いやる。五感を総動員することが大切だ。相手の表情に緊張感がなく生気がなければ、健康状態を按じ、悩みや悲しみを少しでも感受しようと努めたい。何気ない会話の中からの意思疎通は挨拶から始まると考えたい。
▲きちんと挨拶ができて思いやりの心が働けば、身のこなしも自然と格好よくなるだろう。心身の健全な働きが伝われば、相手の心に安らぎを生み、信頼を寄せるのに繋がる。心の動きが何気ない動作と相俟って相乗効果をもたらす。もっと言えば、頭の回転を活発化させてもくれるだろう。相手を「もてなす」心を忘れなければ、それが我が身に反映され、お互いの心を温めてくれるはずだ。
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