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    参院選で支持する政党は?

    2010年7月1日

     
     
     

     政権交代で国民の政治への関心は高まったが、昨今の鳩山内閣崩壊から再び政治不信が蔓延している。「自民党も民主党も同じ」「どこを支持すればいいのか」といった声が多い中、参院選が始まろうとしている。トラック運送事業者に支持する政党について聞いた。 また弊紙の独自調査に加え、トラボックス会員事業者の協力も得て、アンケート調査を実施。全国の運送431社から回答を得た。



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    「選びたいのは真剣な政治家『現場に耳を傾けて』」

     「国民が民主党に耳を貸さなくなったといって鳩山首相は辞めたが、菅内閣になっても同じこと」と山梨県の運送事業者。「保守系の強い山梨だが、政権交代の雰囲気で民主に流れた」と話す。だが、自民党を支持するつもりもないという。乱立する新党も、まじめに現場の国民の声を聞く政治家は少ない。本当に国民のために働き実績のある政治家、政党を選びたいと思っているという。

     運送事業では、地元と国の問題が微妙に関係する事柄も多い。例えば適正運賃や軽油引取税、高速道路の問題などだ。国が関係する問題を県会議員に要望に行くと嘲笑された事業者もいる。「国のことは国会議員に頼め」ということだった。そこには困っている事業者の声を聞き、真剣に政治に反映させようとする動きは見られない。

     また、様々なトラック事業者の集まりに顔を出す議員もいる。運送事業にかかわる人間は多く、巨大な票田に見えるのかもしれない。自民も民主も、「運送事業者の皆様が経済を支えている」とあいさつで持ち上げ、そそくさと帰っていく。議員が多忙なのは確かだろうが、そこは多くの事業者が集まる新年会などの場。本気で現場の声を聞きたいと考えれば、多くの声を聞くチャンスのはずだ。「今日は最後まで会場にいますので、皆さんの困っていることを聞かせてください」という政治家が少なすぎる。

     運送事業にかかわっている人口は多い。この業界の抱える問題に真剣に取り組むことは、雇用問題や労務問題、交通安全や労働衛生などにおいて大きく改善できることになる。「法律を守りたいけど守れない」という業界の声に、真剣に耳を傾ける政治家は少ない。(千葉由之)

    「口先だけの自民から脱却を」

     高速料金無料化、子ども手当、暫定税率撤廃など華やかなマニフェストを掲げながら鳩山由紀夫民主党政権が船出。しかし、荒波により8か月余で転覆。マニフェストも何一つクリアできず、国民からは何もできない民主党と批判が起っている。その後、小沢一郎前幹事長の影響を受けない人事で、菅直人新首相内閣がスタートしたものの、やはり「7月の参議院選挙の勝利を狙っての表紙変え」と再び批判が飛んでいる。

     こんな中、いまだ景気回復もなく厳しい経営を強いられている運送事業者は早期の景気回復を求めており、中小企業の経営をサポートする政治を求めているようだ。大阪市西区の運送事業者は、民主、自民両党を厳しく非難する。

     同社社長は「昔から自民党ではあるものの、現状では情けない状況に甘んじている。民主党に政権を奪われ、現在では影すら薄れてしまっている。民主の小沢議員、鳩山議員らはもともと自民党議員。しかし、自民党で成り立たないために民主党に移り、日本経済を踊らせるだけ踊らせて後は知らん顔。こんな無責任な党に日本を任せていいと国民は思っているのだろうか」と語る。

     さらに「口先だけの政治は自民、民主とも同じ。自民党が前回の敗北を重く見つめて、日本経済を本気で立て直してほしい。ト協も民主党応援に移行していることも、自民党派のわれわれには情けない。昔は自民党支持が多く、後援者も多くいたが、現在では本当に低い位置に甘んじている。7月の参議院選では勝利できるように自民党にはもっと頑張ってほしい」と話している。(佐藤弘行)

    「仕分けに評価 民主を支持」

     「事業仕分けでト協がどんなものかが見えてきた。我々も勉強しなければならない」。兵庫県内の事業者はこのように話している。国政で事業仕分けを導入したのが、戦後初の選挙による政権交代を成し遂げたといわれる民主党だったため、業界や国の予算の回り方を勉強させてもらった民主党を支持したいというのが、この事業者の言い分だ。

     ト協役員も務める県内の別の事業者は、「民主党は議連もできて、草の根的な我々の意見を取り入れようという素地が見える」と話す。規制緩和路線がよかったのかを検討するための会議。これに関する運輸局担当者との話し合いの場でも「業界が声を上げなければ伝わらない」といった発言が聞かれるようになってきたというのだ。
     「政治と本格的なパイプが出来つつあり、それをテコとして行政の姿勢にも変化が出ているようだ」との分析だ。(西口訓生)

    「民主にがっかり自民も頼れず」

     「政権交代後の約9か月間は正直、民主党にがっかりしたが、ここですぐに他の政党に支持を変えてしまっては、いつまで経っても日本に健全な民主主義は育たない」。岐阜県の事業者は昨年の衆院選に続いて、民主党支持の姿勢を示す。それまでの数十年間、自民党員として自民候補を応援してきたが、昨年に方針を転換したうちの一人だ。

     高速道路料金の実質値上げについても「党内で十分に議論を重ねないまま、前原誠司国交大臣ら一部の幹部だけで実施を決めてしまったのでは」と批判する。ただ、普天間や「政治とカネ」の問題に関しては「総理大臣個人の資質に問題があったのは明らか」と、トップが変われば相当部分が良い方向に転換するとの見立てだ。

     「現時点でどこに投票するかは全くの白紙。ギリギリまで態度を決めることはできない」と話すのは、愛知県の運送事業者。民主党政権には「失望した」とのスタンスだが、再び自民党に任せることもできないという。ただ、「どこに入れるにせよ、投票には必ず行く。国民が政治に失望して投票率が著しく下がれば、相対的に宗教団体を母体とした一部政党の存在感が強まる。そうなることが最も危ない」と警鐘を鳴らす。

     一方、比例区には民主党から出馬予定の清水信次氏(ライフコーポレーション代表取締役会長兼CEO)を全ト協の政治団体が推薦することになっているが、東海地方の事業者は「84歳で新人。そんな人を推せるわけがない。ほかにいなかったのか」と憤る。

     「一代で数千億円規模のスーパーを築いた経営手腕は認めるが、政治手腕は未知数。そもそも、当選したとしても任期を全うできるのか」。ただ、清水氏は出身母体であるスーパー関係など他の業界団体からも推薦を受ける予定で、「得票数が、そのままトラック業界の集票力を示すことにはつながらない」との見方もある。(中道幸男)

    「期待できる政党はない」

     「やっぱり民主党かな。でも、高速道路料金などがどうなるかわからんし、不安も大きい。ト協も応援しているし、ウチとしても応援したいけど」と話すのは京都府の運送事業者。滋賀県の事業者は「ずっと自民党を応援していたが、民主党に変えた。本当の政治家といえるのは、小沢一郎だけ。確かに悪い面もあるが、必要悪だと思う。しかし、小沢も選挙のことを言い過ぎた。まず大切なのは経済。経済さえよくなれば、選挙もおのずと勝てるはず。自民党のバラマキは良くなかったが、鳩山政権の8か月はそれ以下」と指摘する。

     「民主党しかない」と話すのは、滋賀県の運送事業者。「自民党はすでに力がなくなっているし、他に期待できる政党がない」という。逆に「自民党しかない」というのは県内の別の事業者。「民主党は『コンクリートから人へ』といっており、まるでダメ。うちは土木関係の仕事を多く扱っており、コンクリートがなくなれば生きていけない。カネを使わないというのはわかるが、ある程度は使ってもらわないと、どうにもならない。自民党には頑張ってもらいたい」という。

     「ト協でも色々な支持政党を持つ会員が集まっている。どの政党を支持するかは難しい問題」と話すのは京都府下の運送事業者。事業者の支持政党はバラバラというのが現実のようだ。(小西克弥)

    「マニフェスト実現がカギか『自民党復活望む声も』」

     民主党の政権交代から約9か月が経過した。鳩山首相と小沢幹事長が辞任したことで民主党の支持基盤はどう変わるのか。大阪府摂津市の運送事業者は「もともと自民党だけど、今度も民主党に入れると思う。これからは支持しているところを押していく。しかし、政治に期待はしていない」と語る。

     また、大阪市都島区の運送事業者は「選挙には行くが、どこに入れるか決まっていない。ただ国際的にはっきりと日本の主張ができる人を支持したい。マニフェストを実現できる党に入れる。本当に庶民の気持ちが分かる人になってもらいたい」と嘆く。

      大阪府門真市の運送事業者は支持政党未定と言うが、「どこがやっても一緒だと思う。その時の流れに任せて支持してしまうとロクなことにならない。国民一人ひとりがしっかりと考えて投票するべき。投票率が悪いので、もっと上げる方策を考えるべき」と強調する。

     自民党を支持する摂津市の運送事業者は「昔から自民党を支持している。民主党には任せられない」と語り、「子ども手当は結局、われわれ消費者に負担が掛かってくる」と吐露する。大阪市西淀川区の運送事業者も「早く政権が自民党に戻ればいいのに」と訴えている。(中村優希)

    「どこも同じ」

     大手人材派遣会社の営業部長に参院選で支持する政党を聞くと、「どこも同じで興味はない」と意外な回答。派遣法改正を強力に推進してきた社民党が与党から離脱したことについては、「正直言って、非常にうれしい」が、「世論には逆らえない。どの党も『このままで良い』とはならないだろう」と冷静だ。

     「ビジネスという現実を理解できない政治家が多すぎ、派遣業界がかつての規模に戻ることはないだろう。自分も身の振り方を模索している」という。(真鍋大樹)

    「自民の応援がしづらい風潮に」

     東京都板橋区の運送事業者は「昔から個人的にも付き合いのある議員が自民党にいるし、ずっと自民党を応援してきたので背を向けるようなことはしたくない」というが、「政権与党でなければ陳情しても通らないし、トラック業界として民主党を推す状況になってきている。以前のように大きな声で、どこででも『自民党がんばれ』と言いづらい雰囲気」と話す。

     「結局、背に腹はかえられないというか『仕方ない』という選択で、議員個人は応援するが、政党としては民主党を支持することになるだろう」と迷いを隠しきれない様子だ。(小澤 裕)

    「自民以外は寄り合い所帯」

     「自民党の候補に1票を投じるつもり。自民以外は寄り合い所帯に過ぎない」と話す東京都中野区の運送事業者。民主党の政策はバラマキと批判する。

     同党が掲げる高速道路無料化については「反対。無料になっても結局、荷主はその分の値下げを求めてくるのでメリットはない。そもそも利用したサービスに応じて料金を支払うのは当たり前のことだ」と話す。

     「民主党は支持基盤が弱いから大衆受けする政策に走るのだろう。このままでいけば、ギリシャのように財政が破綻してしまう」と懸念。自民党には「これまで培った経験がある。大衆受けに走ることなく、必要な政策を進めてほしい」と期待する。(岩本浩太郎)

     
     
     
     
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